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こうした動向は、北朝鮮が1980年代から核兵器開発を本格化させたことも絡み、公安当局の関心の的だった。北朝鮮と米国の対立が激化し、「開戦前夜」の空気が漂った1993年には、公安警察が朝鮮総連に対する捜査マニュアルを極秘裏に作成。「600億円送金説」の解明に突き進んだ。

(参考記事:警察庁「対総連捜査マニュアル」はいかにして作られたのか…時代背景と「600億円送金説」

しかし当時と比べると、日本の公安警察の対北インテリジェンス能力は減退してしまったように見える。朝鮮総連は、立ち退きを迫られていた本部ビルへの居座りを決めた際、数十億円の資金を使ったが、公安警察は今なお、その出所を完全に把握できていないのだ。

(参考記事:【対北情報戦の内幕】あるエリート公安調査官の栄光と挫折

金正恩政権の「核の暴走」を受け、米軍が空母打撃群を北朝鮮近海に急派するなど、北東アジア情勢は風雲急を告げているが、日本政府にはいまひとつ、当事者としての緊張感が感じられない。