そうである以上、上記のような主張は合理的と言えるだろうし、脱北したテ・ヨンホ元駐英北朝鮮公使も同様のことを言っている。
しかし、強者が弱者を踏み台にして生き延びる北朝鮮社会に、庶民の犠牲と無縁なエリートがどれだけいるだろうか。強大な権力を武器に、無実の人々に極刑に追いやる秘密警察の「恐喝ビジネス」は極端な例であるとしても、庶民の側からすれば権力者と金持ちは「皆同罪」に見えるかもしれない。
(参考記事:口に砂利を詰め顔面を串刺し…金正恩「拷問部隊」の恐喝ビジネス)実際、デイリーNKジャパンの記者が接触している韓国在住の若い脱北者の男性は、北朝鮮のエリートが脱北したとのニュースに接するたび、憤りも露わにこう語るという。