朴大統領の弾劾決議案が可決された2日後の11日、北朝鮮国営メディアは金正恩氏が韓国大統領府(青瓦台)の襲撃、いわば「朴槿恵暗殺作戦」を想定した特殊作戦の訓練を指導したことを報じた。報道のタイミングからして職務停止となった朴大統領や現韓国政権に対する心理的圧力だろう。
(参考記事:金正恩氏「朴槿恵暗殺」特殊作戦を公開)韓国政治の混乱にあわせた「朴槿恵暗殺作戦」の公開は、劣勢を強いられてきた金正恩氏の本格的な反撃ののろしなのだろうか。それとも、生命の危険からほんの少しだけ解放されたと感じる正恩氏の精一杯の抵抗なのか。いずれにせよ、正恩氏の次の一手が気になる。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。