咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、金正恩党委員長の「千万金をかけてでも、脱北行為を阻止せよ」との指示に従い、国境地域では脱北者の取り締まりが行われ、非常に殺伐とした雰囲気となっている。脱北しようとする人を見つけたら500万北朝鮮ウォン(約6万円、コメ1トンに相当)を支払うとの布告もなされた。
以前、国境警備隊員を対象に「脱北者を摘発すれば、休暇を与え、労働党に入党させてやる」という制度を導入したが、あまり魅力的ではなかったのか、効果が上がらなかった。そこで今回は一般住民に対象を広げ、報奨金を払う制度にしたものと見られる。
(参考記事:北朝鮮、拘禁施設の過酷な実態…「女性収監者は裸で調査」「性暴行」「強制堕胎」も)高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。