こうした証言は以前から出ており、とくに覚せい剤は若者たちの間で、誕生日プレゼントにもなっている。2011年1月、ある女子中学校で一斉取締りが行われたほどだ。
では、このような事態に金正恩体制がどのような対策を取っているかといえば、前述のように、公開処刑などの厳罰で臨んでいるだけだ。しかし、ある常用者がかつて、デイリーNKの取材に答えて言っている。
「こんなに大勢がやっているのに、いくら取り締まりをしたところで無駄だ。我々全員を処刑することも、刑務所送りにすることも出来はしない。幹部も出勤前にキメているというのに、どうして庶民はダメなのか。1回キメれば、生活の苦労も忘れ、気持ちがいい。こんな世知辛い世の中、覚せい剤なしでは生きていけない」