時に、国営メディアが同性愛者に対するヘイトスピーチを行っていることを考えると、やはり性的マイノリティの尊厳は認められていないと考えた方がいいだろう。
そんな息苦しい社会から、チャンさんが逃げ出したのは必然に思える。しかし残念なのは、韓国に行ってからも自由を謳歌できていないことだ。脱北者であり性的少数者である彼は「ダブルマイノリティ」として、二重の差別を受けてきたのである。
韓国では、キリスト教保守プロテスタントを中心にした勢力がホモフォビア(性的少数者差別)を煽り、性的少数者のパレードに対して激しい妨害を行うばかりか、「性的指向に基づく差別を禁止する」という条項が含まれているとして、差別禁止法の制定にも激しく反対している。