国連総会に出席するためにアメリカを訪問している韓国の李明博大統領は21日（現地時間）、「6カ国協議を通じて北朝鮮の核プログラムの核心部分を廃棄するのと同時に、北朝鮮に確実な安全保障を提供して国際支援を本格化する一括妥結方式、『グランドバーゲン』（重大取引）を進めるべきだ」と話した。

李大統領はこの日、コリアャTエティーとアジアャTエティー、アメリカ外交評議会の3つの機関が共同主催した懇談会で、「北朝鮮の核の完全な廃棄という本質的な目標を棚上げにして、核凍結で妥協して補償を行い、北朝鮮がまた約束を破って原点に戻るという、これまで20年間の経験を繰り返してはいけない」と指摘した。

また、「北朝鮮の核廃棄の終着点について確実に合意して、このような目標を達成する行動方案を整えるためにも、5カ国間で具体的な議論が必要だ。北朝鮮の核問題を根本的に解決する統合された接近方法が必要」と述べた。

これと関連して、「韓国も更に努力する。今後北朝鮮と対話して協力することになっても、核問題の解決が主要な議題になる。オバマ大統領とは、北朝鮮の核問題をどのように解決していくのかについて確固とした認識を共有しているため、米韓共助関係は一層強まるだろう」と話した。

さらに、「北朝鮮はこうしたプロセスが、自分の体制に対する脅威や包囲であると誤解してはならない。核を捨てて国際社会に出て来る北朝鮮を敵対視する国はどこにもない」と強調した。

また、「北朝鮮は核プログラムを放棄することで、アメリカや国際社会と新しい関係を築くことができる。これは北朝鮮自らが発展できる唯一の道でもある」と語った。

李大統領は演説の後に開かれた午餐懇談会で、「北朝鮮との統一は重要だが、統一よりも重要なのは南北が仲良くなることだ。そうして、北朝鮮の経済が豊かになることだ」と、統一についての考えを述べた。

特に李大統領は、「北朝鮮の経済状況が良くなければ統一もない。だが今は、韓国と北朝鮮の経済の格差が大き過ぎるため統一は難しい。そのため我々は、北朝鮮が核を放棄すれば、支援できるように準備をしている」と話した。

さらに、「韓国と北朝鮮が使っている国防費が節約できれば、朝鮮半島の人々の暮らしの質が大きく向上するだろう。だが北朝鮮では今、人口の1/3が餓えている」と指摘した。

核問題と関連しては、「北朝鮮は05年の9.19協議以後、ウラン濃縮は無いと公言してきたが、先月ウラン濃縮があることや開発していることを自ら明らかにした。まだ詳しいことは分からないが、最悪の状況を想定して協議しなければならない」と話した。

また、「北朝鮮が他の危険な国と取り引きした可能性もある」と指摘した。

さらに、「北朝鮮の問題は核問題だけではなく、大量破壊兵器や人権など議論すべきことが山積している。だが核問題が解決されれば、むしろ他の問題はそれに続いて簡単に解決できると思う」と語った。