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そのうえで、自分たちも貿易の仕事という名目で出国し中国で合流してから韓国大使館に助けを求めた。しかし、大使館側が保護を断っている状態で、彼らは中国南部の某所で身を隠しながら、韓国入国の機会を待っているという。

脱北の動機は、制裁の影響で貿易の業績が悪化し、上納金の資金繰りに苦しめられたことだという。制裁による経済的な理由、そして合法的に北朝鮮を出国できる身分という点では、北朝鮮レストラン集団脱北事件と共通する点がある。

一方、保衛部要員の脱北の動機は明らかになっていない。あくまでも筆者の推測だが、ここでも制裁が関連していると思われる。住民を監視し統治するのが保衛部の役割だが、最近ではビジネスに参入している。制裁の余波で、上納金集めがままならい、もしくは展望を見いだせないことから、脱北を選んだことは十分にあり得るだろう。

(参考記事:北朝鮮、泣く子も黙る「拷問機関」がビジネス参入…秘密警察、国家安全保衛部

保衛部は、金正恩第1書記に最も忠誠心を持ち、金正恩式「恐怖政治」の実行部隊として、これまでも数々の大物幹部を粛清・処刑に追いこんだ。