アメリカが30日（現地時間）に、北朝鮮の核やミサイルプログラムに関わってきた疑いで、北朝鮮の貿易会社「ナムチョンガン（NCG）」と、北朝鮮の企業を支援してきたイランの「香港エレクトロニクス社」の資産凍結及び、取引禁止という制裁措置をとった。
米国務省はこの日声明文を発表し、「ナムチョンガンは、平壌にある核に関連した北朝鮮の会社で、90年代末からウラニウム濃縮プログラムに特別に使用できるアルミニウム管やその他の装置を購買してきた」と明らかにした。
また、「ナムチョンガンを行政命令13382号に基づいて、北朝鮮の核拡散ネットワークに指定した。行政命令13382号は、大量破壊兵器の拡散活動を自ら実行しているか、活動を支援している会社などの資産を凍結して、アメリカの金融や商取引システムに接近できないように孤立させることを目的としている」と説明した。
行政命令13382号により、ナムチョンガンはアメリカ人との取引が禁止されるのはもちろん、アメリカ国内の資産も凍結されることになる。
アメリカ国務省は「北朝鮮は4月25日にテポドン2号ミサイルを発射した。その後、5月25日には核実験を行った。これは北朝鮮の核拡散活動に対して持続的な関心を持って見守る必要があることを証明するものだ」と説明した。今回の核拡散関連企業の指定は、北朝鮮企業が核兵器やそれを運ぶミサイル開発のために、金融市場や商取引システムに接近することを遮断するための、アメリカ政府の取り組みの一環である。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面ウォールストリートジャーナルは、アメリカ政府は北朝鮮の核や武器の輸出を支援した疑いのある、北朝鮮の銀行や企業17社に対する制裁方案を講じていると報じた。
国務省とは別に、米財務省もこの日声明を出して、北朝鮮のミサイルプログラムを支援した疑いで、イラン南部のキッシュアイランドある香港エレクトロニクスに対して制裁を行うと発表した。
アメリカ政府は18日に、北朝鮮が国連安保理の決議による金融制裁を逃れるために様々な手を使って取引をする可能性があると見て、アメリカ国内の金融機関に対象企業のリストと一緒に注意書きを送った。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面財務省は、香港エレクトロニクス社が、国連安保理によって4月に制裁対象に選定された北朝鮮のタンチョン商業銀行と朝鮮鉱業貿易会社、朝鮮ヨンボン総会社の3社を支援したと見ている。また、ミサイル開発などと関連して、数百万ドルをイランから北朝鮮に送金した疑いもあるという。
安保理は、1718号の採択後は制裁対象企業などを定めていなかったが、4月に北朝鮮がロケットを発射した後、タンチョン商業銀行と朝鮮鉱業貿易会社、朝鮮ヨンボン総会社の3社を対象企業に指定した。
タンチョン商業銀行は弾道ミサイルの販売と金融取引で核心的な役割を担っているという。朝鮮鉱業開発貿易会社は国連安保理の制裁を受けているシャヒード・ヘンマット・インダストリアル・グループ（SHIG）に弾道ミサイルを販売する金融取引にも関わっているという。国連安保理の制裁を受けているイランのセパ銀行と、様々な分野で活発に関係を維持していると、財務省は把握している。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面タンチョン商業銀行とセパ銀行の関係には、北朝鮮とイランの拡散に関連した取り引きが明確に見られるというのが、アメリカ財務省の説明だ。
財務省のスチュアート・レビー・テロ金融情報担当次官は、「北朝鮮は香港エレクトロニクス社のような偽装企業を利用して、自分達の金融取引の本質を隠すために様々な手を使っている。今日の措置は北朝鮮が国際金融システムを悪用するのを防ぐための、アメリカの総体的な努力の一環」と強調した。
今回の香港エレクトロニクス社の制裁を受け、北朝鮮の偽装企業に対する追加制裁だけでなく、現在北朝鮮と取り引きしている外国企業の取り引きの中断も相次ぐと予想される。
ホワイトハウスも、今回の措置はアメリカ政府が北朝鮮の核やミサイルなど大量破壊兵器の拡散にどれほど懸念しているのか反証するものであり、現段階ではこうした対北制裁や監視が最善の方法だと考えているという。
ホワイトハウスのロバート・ギブス報道官は、「我々は北朝鮮が守らなければならない責任に対して、これまで変わらぬ態度を貫いてきた。今日の措置は、我々がその問題を解決するためにどれほど真剣に考えているのかということを代弁している」と話した。
また今回の措置を理由に、北朝鮮が挑発する可能性も含めて様々な可能性について考慮したが、「最も良い方法は、今日とった措置と今後の状況を監視し続けることだという結論を下した」と説明した。