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粛清、処刑を繰り返す金正恩第1書記の恐怖政治の内情が、日増しに明るみに出つつある。

韓国の国家情報院傘下の機関は26日、金正恩体制になってから100人余りの幹部が処刑されたと明らかにした。今年7月の時点では70人と言われていたが、それをさらに上回る。70人というのは今年5月、側近である玄永哲前人民武力相が大口径の高射砲で文字通り「ミンチ」にして処刑されてから、それほど経ってない時点の数字であり、今回の「100人処刑説」は充分に説得力がある。

権力層のなかで、何が起こっているのか正確に分かりづらい北朝鮮から、こうした粛清や処刑に関する極秘情報は、すぐさま伝わってはこない。ただし、昨年10月に行われた公開処刑が衛星画像で捉えられ、数ヶ月後に事実だと確認されたケースもある。今後も体制内の粛清、処刑に関する追加情報は出てくるだろう。

いずれにせよ、幹部以外にも様々な罪状で、多くの北朝鮮住民が処刑されていることを鑑みると、70人であろうと100人であろうと、北朝鮮「処刑政治」の氷山の一角と見るべきだ。

今回の国情院のレポートは、大規模な粛清、処刑だけでなく、金正恩第1書記の行動心理にまで斬り込み、「傍若無人な性格」、「絶対権力に陶酔している」、「感情に基づいた処刑が多い」と分析している。

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さらに、金正恩氏が周囲の幹部に対して、尋常ではない恫喝を加えていることに触れている。

レポートが指摘する金正恩氏の幹部に対する傍若無人な振る舞いは、動画が証明している。今年6月、スッポン養殖工場を視察した正恩氏は、カメラが回っているのも構わず怒り狂った。後に同工場の責任者が銃殺されたことから、傍若無人に加えて残忍な性格も付け加えなければならないようだ。

独裁者、暴君を地で行く金正恩氏の恐怖政治は、一時的には体制を引き締めるだろう。しかし、決して未来は明るくない。

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今、北朝鮮の権力に近い指導層は、「次は誰が殺されるのだろうか…もしかしすると自分の番かも?」という不安感や疑心暗鬼にとらわれている。側近たちは粛清、処刑に対する恐怖感から、金正恩氏に対して積極的に助言することを放棄し、無批判盲従を貫かざるをえない。

実際、労働党のそこそこのエリートでさえも、「出世したくない」という弱音を吐く。出世することは金正恩氏に近づくこと、すなわち粛清、処刑のリスクに近づくことを意味するからだ。

冷徹で狡猾な計算のうえで粛清、処刑を行いながら、国内を統治してきた故金日成氏・正日氏の統治手腕と比べると、金正恩氏のそれは恣意的、感情的で明らかに違う。

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長期的に見れば、金正恩氏の危うい恐怖政治は、北朝鮮権力層の弱体化を招き、自業自得の結果を招くことは避けられない。