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人口2500万の北朝鮮で携帯電話は300万台が普及している。一説によれば「平壌市民の6割が持っている」というが、海外通話は不可能だった。しかし最近になって「中国との通話が可能になった」と平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

中朝でビジネスを展開する北朝鮮ビジネスマンが、中国のビジネスパートナーなどと海外通話するためには、中国キャリアの携帯電波が届く国境地帯までわざわざ出向かなければならなかった。たった1本の通話のために国境地帯まで移動するのは非常に面倒だ。

平壌から中朝国境の新義州(シニジュ)までは220キロ、韓国に近い開城(ケソン)からだと400キロも離れている。さらに何十回も検問を受けなければならない。また、最近になって北朝鮮当局が国境地帯で妨害電波を発信するようになり、中国キャリアの携帯通話すら難しくなっていた。

しかし、その状況もガラリと変わった。内部情報筋は語る。

「北朝鮮当局が、携帯電話の中継局を国境地帯に設置した。北朝鮮キャリアの携帯電話を中国側にもちこめば、北朝鮮全土に通話が可能だ。そもそも中国側の貿易業者は国境沿いに事務所を構えているので、北朝鮮キャリアの携帯電話を所有していれば互いに移動せずに通話ができるようになった」

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これまで中国キャリアの携帯が北朝鮮に持ち込まれ中国携帯電波網を活用して通話することがあったが、この裏ワザは北朝鮮キャリアの携帯を中国側に持ち出して中国側から通話するという、いわば逆転の発想から生まれたものだ。

通話に必要な北朝鮮の携帯電話は、北朝鮮国内のビジネスパートナーから受け取るか、丹東市内にある北朝鮮携帯電話専門店で購入すればいい。

ただし、北朝鮮国内では北朝鮮キャリア、中国キャリアに限らず海外通話は違法行為だが、幸い中国朝鮮族を通じた通話ならそれほど問題にはならない。

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さらに中国朝鮮族の多くは北朝鮮の咸鏡道(ハムギョンド)の言葉をベースにした方言を使うため、保安員(警察官)や保衛員(秘密警察)が盗聴しても、区別がつかないからだ。しかし、念には念を入れて簡単な頼みごとやビジネス関連の情報のやり取りにとどめているという。

別の情報筋によると、保衛部(秘密警察)は、この裏ワザに気付いており、妨害電波の発信や盗聴で対応しているというが、通話を完全に遮断することはもはや不可能だという。