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北朝鮮の権力機関に不満を持った30代の青年2人が保安員(警察)1人を凶器で切り付け、ピストル1挺と弾丸7発を奪って逃走する事件が発生したと、北朝鮮の内部情報筋が23日午後に伝えた。

情報筋は「この事件は19日に平安北道(ピョンアンブクト)の南新義州(ナムシニジュ)の白土洞(ペクトドン)で発生した。刀で切り付けられた保安員は重体だったが、死亡したかはわかっていない」と語った。

白土洞は新義州の中心市街地から南に4キロほど離れており、人民保安省(警察庁)の3号教化所(刑務所)が存在する。

北朝鮮で武器紛失事件はたびたび発生していたが、保安員を凶器で切り付けて武器を強奪する事件は稀であり、世間の注目が集まっている。ちなみに北朝鮮では、一般国民の重機所持は禁じられている。

19日の事件発生後、23日の時点まで、平安北道の保安署、新義州市の保安署、洞分駐所の保安員や道保衛部傘下の保衛員らが総掛かりで容疑者の捜索を行っていると伝えられた。

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情報筋は「この事件は保安員の殺害未遂に武器強奪という点から、厳重に扱われている」「このため全国捜査令が下った」と説明した。

「全国捜査令」は重大な反国家犯罪事件に対して保安署、保衛部などの権力機関全てに下される北朝鮮の司法当局の高位捜査命令だ。

情報筋によると、国家安全保衛部(秘密警察)は今回の事件を、反国家団体の仕業とみなし、人民保安庁と合同で捜査に入ったという。

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情報筋は「洞の担当保衛員、保安員らが人民班長と協力して、モンタージュ写真を作り、怪しい者を届け出るように広く知らせている」と付け加えた。

また保衛部は、新義州と龍川(リョンチョン)との間にある10号警戒所を封鎖、車と人の取り締まりを強化し、保安署は道路、鉄道駅などで、容疑者が新義州から逃げ出すことのないように、旅行証明書(国内用パスポート)の検閲(検査)を強化したと伝えられた。

特に武装した容疑者が中国へ脱出することを憂慮して、国境警備隊も非常事態になったと情報筋は伝えた。

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今回の事件が特定団体による組織的で計画的な事件かどうかは分かっていない。

情報筋は「普段から保安員を狙っていた者による事件だったのか、偶発的事件だったのかは分からない」と明らかにした。

新義州出身の脱北者キム氏は、「新義州の人は、他の地方の人より政府に対する不満が特に高い」「昔から外部の情報に随分接してきており、腐敗した権力機関に対する恨みも強い方」と語った。

また、「改革開放に関心が高く、体制に不満を抱く人は、新義州が最も多い」「さもなくばなぜ金正日総書記も『新義州は既に敵化した(敵の側に立った)』と言っただろうか」と述べた。

金正日氏は1997年頃、新義州の住民が華僑と協力して真っ先に商売を始め、資本主義文化を最も好むと、「新義州は敵化された」と言及したことがある。

保安員や保衛員など、北朝鮮の権力機関の従事者は、配給対象者として、配給と月給で暮らさなければならないため、住民の商売や密輸を取り締まり、ワイロを受け取っている。