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2002年に金日成の第90回誕生日を記念して初めて登場したマスゲーム、’アリラン’の公演が、15日から1ヶ月間公演される予定。

去年は水害によってアリラン公演が取り消されたが、北朝鮮は’アリラン’公演を年例行事として推進する計画で、昨年末から公演の準備に拍車をかけてきた。

公演準備の仕上げの段階に入り、北朝鮮はインターネットなどを通じて対内外的にアリラン公演を広報している。更に、北朝鮮はアメリカと日本まで含めてすべての国籍の外国人の入国を許容するなど、観光客の誘致に力を入れている。

この間、外部世界との交流をはばかってきた北朝鮮がこのように積極的な姿を見せている理由はなにか?

ここには、アリラン公演を通じた対内外的な体制の宣伝と実利の追求という、二兎を追おうとする意図が見られる。体制の宣伝と内部の結束の強化以外に、外貨も稼ごうということだ。

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◆ アリラン公演, 対内外体制宣伝の道具 = 北朝鮮は今回のアリラン公演で核実験の成功などを強調し、外国の観覧客に強盛大国、先軍政治の優越性を宣伝すると予想される。

特に2007年は金日成の生誕95周年、金正日の65回目の誕生日、朝鮮人民軍の創設75周年など、いわゆる‘節目の年’であり、アリラン公演をはじめとし、体制宣伝のための行事を盛大に行うと思われる。

2002年には韓国の観覧客を含め、海外からの観覧客は1万8千人余り、2005年の韓国の観客数はあわせて7千337人だった。

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北朝鮮の中央放送は3日、“アリラン公演は先軍革命の領導によって、金日成主席の富強祖国建設国zに一層花を咲かせるための闘いに奮い立つ我々の軍隊と人民を、力いっぱい鼓舞し、激励するもの”と明らかにした。

アリラン公演の総責任者であるソン・ソクファン文化省副相は最近、アリラン公演を紹介する中で、“アメリカの脅威と圧力を先軍の威力で跳ね返し、強盛大国建設の黎明を抱いてきた今日の時代的状況に合わせて内容を変えた”と明らかにし、アリラン公演を通じて’核保有国’であることを宣伝する可能性を示唆した。北朝鮮はこの間、アメリカの脅威に対抗するために核兵器が必要だと主張してきている。

また、北朝鮮の住民に観覧させ、内部の結束を強化すると思われる。

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北朝鮮はこの間、内部の結束と偶像化のために、マスゲームなどを実施してきた。数万人が一糸乱れず動く公演を見た住民は、北朝鮮体制に対する優越感と金日成、金正日に対する忠誠心が高まるというのが、脱北者らの説明だ。これは北朝鮮体制を安定化させ、住民を取り締まる有益な統治手段といえる。

北朝鮮は金日成や金正日の誕生日、党の創立記念日、共和国の建国記念日などを4大祭日と称し、数万人が出演するマスゲームを1980年代から実施してきた。それ以外にも、人民軍の創設記念日、朝鮮戦争の勝利の記念日には、大規模な軍事バレードも実施している。

北朝鮮はアリラン公演に外部の観光客だけではなく、北朝鮮の住民の観覧を督励している。2002年のアリランの初公演は、北朝鮮の住民と韓国人、海外観光客など、約400万人、2005年には200万人余りが観覧した。

平壌出身のキム・チョルスン(仮名, 2005年入国)氏は、デイリーNKとの通話で、“内部の結束を強化するために、北朝鮮はずいぶん前からマスゲームなどを実施してきた”と言い、“体制を宣伝して特に外貨を積ぐのにアリラン公演ほどよいものはない”と語った。

◆ アリラン公演,外貨稼ぎの一等功臣 = 何よりも北朝鮮は、アリラン公演を通じて外貨を儲けるという意図で、観覧客の誘致、広報に積極的であると思われる。

北朝鮮はスウェーデン、アメリカ等の旅行社に委託して、アリラン公演の観光客を誘致しており、アリラン公演の広報、招請事業などを専門に担当する部署も新設した。去年はパク・ボンジュ内閣総理が委員長だったアリラン国家準備委員会に、海外の同胞と南朝鮮の同胞、外国人の招請などの対外招請事業を担当する部と課を作った。

2005年に北朝鮮は韓国の対北支援団体などを通じて、アリラン公演の観覧客の募集を要請した。一部の団体は北朝鮮から、‘観覧客を飛行機1台満席にして送ってほしい’という要請を受けたという。

2005年には南側だけでも7000人余りがアリラン公演を観覧した。当時の訪朝費用は1泊 2日の日程で、1人当り平均100万ウォンほどかかり、このうち、南北直航便のチケット代などを除いて、見学料、宿泊費、交通費など、55万〜60万ウォンが北側に支払われたという。

したがって、北側が南側のアリラン観覧で積いだ資金は、約40億ウォンに達する。これは全てドルで北側に支給された。更に、かなり多くの海外の観光客もアリラン公演を観覧したと言い、北朝鮮が積いだお金は数百億ウォンにのぼると推定される。その他に、海外の観光客らがアリラン公演を観覧するために平壌で使用した現金もある。

2005年のアリラン公演当時、北朝鮮政府は公演場の周辺のあちこちに外国人を対象にした特別の売台(商品をおいて販売する台)を設置した。アリラン公演の様子を撮ったDVD、VCDを販売する売台を含めて、ホテル、食堂、商品の販売所などに特別の売台が登場した。売台の販売収益金は、北朝鮮政府に入る。

◆ “アリラン公演、最も非効率な活動”= しかし、北朝鮮の意図と異なり、外国人の観光客らの観覧が低調になれば、経済的に打撃を受けることも予想される。

実際にアメリカ人の観光客の募集事業は不振である。アメリカ国内で北朝鮮観光団の募集の独占権を有している‘アジア・パシフィック・トラベル’は11日、“現在まで20人余りのアメリカ人が(アリラン公演の観覧を兼ねた)北朝鮮観光を垂オ込んでいる”と明らかにした。

北朝鮮は10万人が出演するアリラン公演を準備するため、数ヶ月前から莫大な人と資金を投入している。2002年のアリラン公演の場合、北朝鮮政府は公演に必要な学生用のユニホーム、食品などの行事用消費財、観光客のための品物などの収入を大幅に上げたと伝えられた。

公演の出演者のうち、平壌市民を除く人たちを平壌市内の各旅館に分散して収容し、莫大な国家財政が消費された。こうした消費が北朝鮮の対外債務につながり、新しい経済計画の樹立に影響が出る可能性も排除することができない。

もちろん、北朝鮮は最小限の費用で公演を準備しているが、北朝鮮の経済事情を勘案すると、一年近く10万人を動員するアリラン公演に消費する人力と資金は少なくない負担になると推測される。

また、アリラン公演の観覧に数百万の北朝鮮の住民が動員されたため、生産活動が不振だったという。15日から1ヶ月間、数百万人の北朝鮮の住民が動員される。平壌市民だけではなく、周辺の地域の住民がアリラン公演を観覧することになる。このため、北朝鮮の住民が働いている企業所や工場の生産活動に影響が出るはずだ。

2002年のアリラン公演の無理な推進が産業部門の生産活動に影響を及ぼし、多数の工場、企業所が正常に運営されなかった。当時の統一部の資料によると、北朝鮮で生産計画を達成した工場や企業所はあわせて63ヶ所で、2001年の同期間に比べて、36%減少した。

平壌出身のカン・ソン}ン(2004年北朝鮮入国)氏は“アリラン公演は北朝鮮の体制宣伝と外貨稼ぎの助けになるだけで、北朝鮮の住民には何の役にも立たない”と述べ、“特に政治目的で数叙恊lが動員されるアリラン公演は、最も非効率的な活動”と酷評した。

カン氏は“1ヶ月間でアリラン公演の観覧に動員される人々も、数千人にのぼる”と述べ、“彼らは所属する企業所や工場から選ばれて公演の観覧だけを行う”と指摘した。