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去年の核実験で一時途絶えぎみになった中朝貿易が、米朝の雪解けムードに乗じて再び活発になりつつある。しかし、北朝鮮の税関員の非理と、頻繁な補職の交替に、貿易業者らは頭を抱えている。

中国人の貿易業者らは、一日一回あるいは数日に一回ずつ、北朝鮮に出入りする。最近、北朝鮮に行って来た中朝貿易業者のハン・チョルリョン(仮名・42)氏は6日、デイリーNKとの通話で、困ったような声で控え目に語り始めた。

ハン氏は吉林で暮らしている朝鮮族で、中朝貿易を始めて4年経つという。彼は2.5トントラックを利用して、北朝鮮産の海産物や薬草を含めた農水産物を中国に輸入し、販売している。

ハン氏は“このごろ北朝鮮の税関員のため、頭が痛くて商売をする気にならない”と述べ、“彼ら(税関員)は顔に鉄板が付いているようで、体面も何もない”と言った。

彼は“税関員らが互いに競って頼んでくるので、手帳に書いておかなければ憶えられない”、“酒、タバコは勿論、食料品、果物、薬品や電気製品を始めとし、多様な品物を要求する”と語った。

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ハン氏と同行している貿易業者、キム・チャンジュ(仮名) 氏も、“甚だしくは、ある税関員などは家を修理するのに必要なセメントや鉄筋、窓わく、窓、釘などの住宅用資材まで要求してくる”と語った。

賄賂を受けた税関員らが、どのような特恵を与えてくれるのかという質問に対し、“特恵は確かにある”と語った。キム氏は“税金を下げてくれたり、通関が不可能な品物も目をつぶってくれる”と述べた。

逆にキム氏は、“賄賂をもらった税関員が厳しく検査できるのか”と聞き返した。 “彼らのおかげで商売がよくできるが、時間が経つにつれ、税関員の要求の水準も高まってくる”と語った。

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しかし、“頭が痛い問題はそれだけではない。そのように付き合った税関員らが長くいれずに、しょっちゅう入れ替えさせられて損害が多い”という。

“少し親しい間柄になったと思ったら、突然入れ替えさせられて、新しい人々を相手にしなければならない”と述べ、“どうせ与える賄賂だから、親しみのある税関員がそのままいた方がよいが、頻繁に入れ替えるから、新しく来た税関員と親しくなるために、お金と時間が二倍かかる”と語った。

北朝鮮で税関員は、最高の職業の一つである。彼らは一般の会社員ではなく、軍人とまったく同じ待遇を受けて働く。税関員の一部は、国家保衛部所属で、直接統制を受ける。

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彼らは税関員として現職で働く時、最大限多くの‘財産’を蓄積して、老後に備えたり、子供たちの面倒を見ようとする。賄賂がはびこった北朝鮮社会の中でも、税関員は最高の地位にいる。したがって、現職で勤めている時、手段と方法を選ばずに、中国人の貿易業者や親戚訪問者らの懐を狙おうとする。

北朝鮮政府も税関員らに対する統制と監視を強化しているが、腐敗国「があまりに根深く形成されており、中国人にせびるという考えに罪責感もなく、根絶するのは困難だ。彼らの非理は中断されることなく、むしろ時間が経つほど拡大している状態だ。

北朝鮮政府も税関員らの非理で投書が増えれば当事者に警告や罰を与える。非理を働いた税関員らを処理する時は、勤務条件が劣悪な税関に左遷させたり、ひどい場合は除隊させる。

最近は北朝鮮政府も問題意識を高めて、税関員らの非理の清算のために努力しているという。その一環として、税関員らが1ヶ所に長く勤めることができないようにする方法をとっている。

ハン氏は“税関員もそうしないと生活が困難な社会が朝鮮だ”と述べ、“朝鮮の税関員らの要求が、時が経つほど高まって手におえないが、商売のためにはどうしようもない”と語った。

[姜在ヒョク記者(咸興出身, 2004年入国)]