アメリカ国務省は北朝鮮を「労働党の総書記兼国防委員長である金正日の絶対統治下にある独裁国家」と規定した。

アメリカの国務省は25日（現地時間）に発表した「2008年人権報告書」で、「北朝鮮政府は独裁を愛国主義と正当化し、金日成と金正日親子を神格化している」と発表した。

また、「北朝鮮の住民は国のイデオロギーや権威に従い、指導部に忠誠を尽くすように政治・理念的に洗脳にされている」と紹介した。

北朝鮮の人権状況については「最悪」と規定し、「北朝鮮が言論、集会、結社の自由や移動の自由、労働権などすべての分野で住民の暮らしを統制している。また、不法な殺人行為があり、行方不明者がいる」と指摘した。

さらに、「北朝鮮には恣意的な身柄の拘束や逮捕を禁じる刑法があるにもかかわらず、政府自らがその法律を守っていない。保衛部が政治事件の容疑者を恣意的に逮捕し、裁判なしで収容所に収監している」と批判した。

同報告書によると、北朝鮮の政治犯収容所には現在15〜20万人程度が収監されているという。

また、「北朝鮮に強制送還された脱北者がひどい処罰や拷問を受け、公開処刑されている。国境地帯を行き来する女性や労働者に対する人身売買に関する報告も相次いでいる」と強調した。

同報告書は北朝鮮が拉致を繰り返していることについて、「日本政府も北朝鮮が拉致したと確認された12人の日本人の行方について北朝鮮側に解決を求めている」と報告している。また、韓国政府の推定値を引用し、「北朝鮮が韓国戦争の後、約480人の韓国人を拉致した。韓国戦争当時拉致された韓国軍捕虜も560人に及ぶ」と指摘した。

これについて、クリントン国務長官は25日に行った定例記者会見で、「国務長官として人権向上のために最善を尽くす」と話した。

また、「アメリカ政府だけではなく、国際的な協力を引き出すために努力する。他国の政府や非政府機関、企業、宗教指導者、一般市民など、人権のために重要な役割を果たせるすべての人と手を組んで努力する」と強調した。