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ここで、官邸が待ち焦がれる「お言葉」の内容について、外事警察の指揮官たる警察庁警備局長は、その概要しか報告できなかったという。それだけではない。同席した水野谷幸夫公安調査庁次長が、ハングルで書かれた「お言葉」の文面の写真と全訳を報告したのである。

外事警察が、常日頃から「札束で顔を叩いて情報収集する」と蔑む公安調査庁に、完全敗北した瞬間だった。

会議後、激昂した警備局長は、警視庁公安部長と道府県警本部警備部長に対し、朝鮮総連への情報収集強化を即座に指示したと伝えられる。

骨董品並の捜査マニュアル

警視庁だけで数百人、全国では千人を越す対北朝鮮スパイハンターを擁するといわれる外事警察がなぜ、「不要論」さえくすぶり続ける公安調査庁に敗北したのか。その原因について、ある外事警察OBはこう指摘する。