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ベン・ローズ米大統領副補佐官は24日、安倍晋三首相の米国訪問を前に電話で記者会見し、首相の米議会演説などで過去の植民地支配と侵略を認めた村山富市首相の談話を継承すべきだとの立場を明らかにした。

同氏は、「われわれは首相に過去の談話と合致する形で建設的に取り組み、地域の緊張を和らげるよう働きかけている」と表明。韓国との関係改善に向け、「協力促進や対立緩和」を実現するよう要請した。

もっとも、ホワイトハウス高官のこうした発言は、必ずしも日本にだけ向けられたものではない。

ワシントンDCでは、日韓に対して「いいかげんに仲直りせよ」との声が高まっている。先月には「米国企業研究所(AEI)」が主催したセミナー「日韓関係50年」で、リチャード・ローレス元アジア太平洋担当国防副次官補が、現在の日韓関係について「米国が介入するしかない」とまで主張している。北朝鮮問題や対中国関係など、アジアにおける米国の戦略的利益に影響しかねないとの考えからのものだ。

こうした状況を考えると、安倍首相訪米時にオバマ大統領らが日韓関係についてどのようなものの言い方をするかが注目される。

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思えば、50年前の日韓国交正常化交渉も歴史に残る難交渉だったが、同時期にベトナム戦争にのめり込んでいった米国が「仲立ち」に動いた経緯がある。

しかし現在の日韓関係悪化の原因といえる従軍慰安婦問題をめぐっては、仮に米国が介入したとて、先行きはまったく楽観視できないのが現状だろう。

その一方、日韓の政界中枢では、さすがに「何とかしなくては」との動きが出てきている。目に見えるところでは2月中旬、自民党の二階俊博総務会長が日本の観光業界関係者ら約1400人を率いて韓国を訪れ、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談した。

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永田町筋によれば、「二階氏は5月にも、日韓関係を改善するために何らかの動きを見せるようだ」という。

ほかにも、水面下での動きがある。たとえば、このほど韓国の新しい大統領府秘書室長に就任した元駐日大使のイ・ビョンギ氏は朴槿恵大統領の最側近だが、菅義偉官房長官と太いパイプを持っているとされる。

だがいずれにせよ、日韓関係は安倍晋三首相と朴槿恵大統領の決断なくしては動かないだろう。

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そもそも50年前の国交正常化自体、朴大統領の父である朴正熙元大統領と安倍首相の祖父・岸信介元首相の関係がなければ動かなかった。

そして、岸元首相はその過程で地元・山口県と韓国にまたがる「王国」を築いており、その在日韓国人人脈と「金脈」は娘婿である安倍晋太郎元外相に、そしてその息子である安倍首相にも受け継がれてきた。

たとえば、かつて晋太郎氏が住み、いまは安倍首相名義となっている下関市内の敷地面積2千平方メートルの豪邸のかつての持ち主が、在日のパチンコ業者であったことはつとに知られている。

日韓の国交が正式に結ばれたのは6月22日だ。その日に向け、日韓に何らかの動きが出ることを期待したい。(高英起?デイリーNKジャパン編集長)

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記