「小麦などどこにもない」北朝鮮で農業不作、食糧価格が暴騰

北朝鮮の市場物価が急速な上昇を続けている。コメやトウモロコシなど主要食糧の価格は、わずか2週間で10%以上値上がりし、住民の生活負担が一段と重くなっている。背景には、コメの在庫が徐々に減少する一方、小麦や大麦など代替穀物の供給も十分ではないことが影響していると分析される。

通常、北朝鮮では初夏に収穫された小麦や大麦が市場に出回ると、コメやトウモロコシに集中していた需要が一部移り、穀物価格が一時的に安定する傾向がある。しかし今年は、小麦・大麦の生産量が例年を下回ったため、こうした価格安定効果が現れていないという。

北朝鮮農業の専門家である韓国グッドファーマーズ研究所のチョ・チュンヒ所長は、デイリーNKの取材に対し、「今年の小麦と大麦の生産量は例年より減少したと分析されている。現地の農業関係者の間では、目標収穫量の半分程度しか生産できなかったという話も出ている」と述べた。

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さらにチョ所長は、「実際、北朝鮮の市場では今年収穫されたはずの国産の小麦や大麦がどこにもない状態だ。例年であれば、小麦や大麦が市場に出回る短期間だけでもトウモロコシやコメの価格がやや下落する傾向が見られたが、今年は代替作物の生産量が、コメやトウモロコシ価格を押し下げるほど十分ではないようだ」と分析した。