金正恩が乱造するタワマン群「すべて崩壊する」と元現場労働者
北朝鮮の平安南道平原郡で先月27日、崩壊の危険性が指摘されたマンションから住民が緊急避難する騒ぎがあった。
デイリーNKの現地消息筋は、「中央から与えられた建設課題を期限内に終わらせるため、基礎工事やコンクリートの養生期間を十分に確保しないまま無理に工事を進めたことが原因」だと指摘。施工責任者らが手抜き工事を隠蔽した結果、6月には形式的な竣工検査を通過したものの、梅雨を経て地盤沈下や外壁のひび割れといった重大な欠陥が表面化したという。金正恩政権は慢性的な経済難を覆い隠そうと、全国でマンション建設を進めている。水準が確保されていれば、それも経済政策の成果と見ることもできるが、実際には品質や度外視しての”乱造”に近い。さらに、次のような弊害が重なることで、住民の安全は深刻に脅かされている。
かつて平壌のタワーマンション団地・未来科学者通りの建設に動員され、後に脱北した元北朝鮮軍兵士が語る。
(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故)
「未来科学者通りは金正恩が自ら旗を振った事業でもあり、当初は安全管理についても関係当局から厳しく指導されていました。しかし、現場に供給されているはずの資材が足りないといったことが、次第に増えました。現場の監督には、その問題を追及する権限がありません。横流しは、もっと上の方(上層部)がからんでいたのでしょう。しかも、どんどん工期が迫ってくる。セメントと砂の混合比率や鉄筋の使用量が、上層階に行くほどいい加減になっていきました。北朝鮮で地震はほとんど起きませんが、いずれ何かの拍子に、建物がぜんぶ崩壊してもおかしくありません」
平壌では2014年、これと同様の問題が原因となり、完成したばかりのマンションが崩壊。500人が犠牲になる大惨事があった。冒頭で触れた騒動は、その後も問題が改善されていないことの傍証と言えるだろう。
