米国はいかにして北朝鮮資産を凍結し、家族を奪われた自国民を救済したか…対北金融戦争の実態

米国では、外国主権免除法(FSIA)の「テロ支援国家例外」や、テロリズム危険保険法(TRIA)などにより、テロ支援国家の凍結資産を被害者救済に充てる法的枠組みが整備されている。財務省外国資産管理室(OFAC)が資産を凍結し、司法省が押収・没収を進め、最終的に裁判所が被害者への分配を命じる。この一連の仕組みが有機的に機能した結果が、今回の約27億円の支払い命令だった。

北朝鮮はサイバー攻撃や暗号資産窃取などを通じて新たな外貨獲得を図っているとされる。一方、米国も金融制裁と資産没収を組み合わせた包囲網を年々強化している。今回の判決は、国家による人権侵害の責任を追及するだけでなく、「違法に得た資金はいずれ被害者救済に充てられる」という米国の金融戦略を改めて示した事例と言えそうだ。