北朝鮮幹部の生命を脅かす、「水害」と「金正恩の怒り」という極大リスク
だからこそ現場は異様なほど神経質になる。問題は、その代償を住民が背負わされていることだ。動員された工場労働者らは重機も十分支給されず、手袋や食事まで自前。検閲だけが頻繁に行われ、「苦労ばかり増える」と不満も漏れるという。
もっとも皮肉なのは、この“恐怖政治型インフラ整備”が一定の実効性を持ち始めている点かもしれない。住民の間には「どうせ動員されるなら形式的でなく、ちゃんと工事する方がまし」との声もあるという。だが本質的な問題は変わらない。国家が十分な予算も装備も提供せず、責任だけを末端に押しつける構造だ。豪雨が来れば幹部が震え、怒りが下れば住民が動員される。
北朝鮮の夏は、自然災害だけでなく、最高指導者の怒りによっても命運が左右される季節なのである。
