金正恩体制を幹部の「不正蓄財マネー」が支えている自己矛盾
ある脱北した元幹部は「上から予算は来ない。しかし会議も忠誠資金も行事準備も求められる。結局、下から搾り取るしかない」と証言している。つまり、金正恩氏が批判する「不正蓄財資金」なくして、現在の北朝鮮経済と行政システムそのものが回らないのである。
(参考記事:「手足が散乱」の修羅場で金正恩氏が驚きの行動…北朝鮮「マンション崩壊」事故)市場経済化を公式には認めない一方で、実際には賄賂と非公式資金によって国家機構を維持しているのが北朝鮮体制の現実と言える。
それにもかかわらず、最高指導者が「反人民的現象」をもっぱら現場幹部のモラル問題として批判する姿勢は、確信犯的な責任転嫁なのか、あるいは本当の世間知らずなのか。
金正恩政権は近年、「人民大衆第一主義」を繰り返し掲げ、幹部に対して住民への威圧的態度を改めるよう要求してきた。しかし一方で、過剰な忠誠競争と資金上納を強いる体制構造そのものには手を付けていない。
幹部腐敗は個人の堕落だけでなく、国家が給与も予算も保障しないまま無限の忠誠だけを要求してきた結果なのだ。
朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。
