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北朝鮮は今年、天候が良かったために西海岸の塩田は豊作だが、最近漁獲高が上昇している東海岸では塩が不足しているという。

北朝鮮の咸鏡北道の内部消息筋は13日デイリーNKとの電話インタビューで、「最近東海 (日本海)では急激にニシン、ほっけ、たこ(いか)などの漁獲量が増え大漁だったが、魚を漬ける塩が不足し、塩の価格が高騰している。ラジン−ソンボン地域では最近1キロ当たり1500ウォン(以下のウォンは北朝鮮の貨幣単位)まで上がったこともある。今年は珍しく米より塩の価格が高騰している」と伝えた。

昨年まで 北朝鮮の咸鏡道地域の市場では1キロ当たり120ウォンで売買された塩の値段が今春以後、最低でも3倍以上に急騰した。9月現在、北朝鮮の市場での塩の価格は1キロ当たりラジンは600ウォン、ホィリョンは300ウォン、ヘサンは400ウォンとなっている。

一方、西海岸のシンウィジュは180ウォン、ナムポは200ウォン、ヘジュは180ウォンなど、東海岸に比べ比較的安値で推移している。

塩が豊作の中、西海岸の塩田地域の住民は生活に困窮している

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北朝鮮の主な塩の生産地は西海岸で、海岸の凸凹が激しく干満の差が大きいため多くの塩田を造成し、海水を蒸発させる方法で「天日塩」を生産してきた。北朝鮮の主要塩田は主に西海岸に沿って平安北道と平安南道の一部、黄海南道にある。

同消息筋は、「北朝鮮は両側に海があるが、塩の生産量が多くないため、毎年塩不足だ。塩田で働いている人たちは塩を盗み隠しておいて、キムチを漬ける10月頃や塩の価格が上がった時期にそれを売って生活をしてきた。今年は天候が良かったため以前より塩の生産量が増えたのはいいことたが、それを運送する手段が足りないため、塩が塩田に山積みされたままになっている」と語った。

特に、平安北道のズンサン郡とヨンジュ郡の場合、8月初旬に大雨が降り、野外に積んであった塩が溶けてしまい大きな損害を受けたという。

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塩田で安く売られた正規の塩すら運べない状況にあるため、闇ルートで塩を売る個人売買もほとんど見かけないという。そのため、塩を売って生計をたてていた塩田関連の人々が困っているという。

塩不足で東海岸の水産事業所も泣き顔

一方、前年比で漁獲量が大幅に増えた東海岸地域は深刻な塩不足にさらされている。特に、東海岸地域の塩の高騰は、近隣の内陸都市の価格にまで影響を及ぼしている。

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前出の消息筋によると「東海岸の塩の高騰は漁獲量が上昇したからだ。それに、西海岸の塩田は豊作だが、塩を運べないため価格の高騰の一因になっている。北朝鮮には冷凍設備がないため、魚を保存する方法としては魚を塩に漬けるか、干すか、この二つしかない。東海岸にも塩田はあるが、需要に生産量が追いついていない」という。 

現在、ウォンサン、フンナム、チョンジン、ラジンなどの東海岸の主要都市にある水産事業所では、塩がないため水産物が腐敗し、廃棄しなければならない状況に追い込まれているという。

政府もこの問題を解決するために東海岸に塩を多く供給するように策を講じてはいるものの、運送手段の不足で西海岸の塩が東海岸に供給できるようになっていないという。

水産事業所のようなところでは魚を売って塩を確保する方法もあるらしいが、西海岸まで行って塩を運んで来るには費用がかかりすぎるという。

前出の消息筋は「昨年は1キロ当たり120〜150ウォン程度だった塩が、今は400〜500ウォンまで上がっている。10月にはキムチを漬けはじめるので、その時はもっと高くなる」と予測する。

また、「西海岸では塩を売ることができなくて困っているが、東海岸では塩を買うことができなくて困っている。それに、豊漁で魚が取れすぎ、魚の業者も困っている」と苦しい状況を伝えた。