北朝鮮の「14歳ご令嬢」10人、逮捕されるも釈放…国民統制の実態

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが、北朝鮮による国民統制の実態について強い懸念を示した。

同団体の東アジア・太平洋地域担当副局長サラ・ブルックス氏は7日、米政府系放送のボイス・オブ・アメリカ(VOA)とのインタビューで、北朝鮮が2020年以降に制定した一連の法律によって、外国メディアへの接触を「死刑」も含む極刑で処罰できる体制を制度として整え、思想統制をかつてない水準まで強化していると指摘した。

ブルックス氏が問題視したのは、新型コロナウイルス禍の前後に採択された「反動思想文化排撃法」などの関連法令。韓国ドラマや映画、音楽といった外国コンテンツの視聴や流布を国家に対する重大な思想犯罪と位置づけ、場合によっては死刑まで科し得る厳罰主義を明文化した。従来から非公式に存在していた締め付けが、法制度として固定化された格好である。

一方で、その摘発と処罰は決して平等ではないと、同氏は指摘する。政治的な後ろ盾を持つ層や富裕層は、コネや賄賂によって厳罰を免れる余地がある一方、地方の若者や社会的弱者ほど公開裁判や強制労働送り、場合によっては極刑の対象になりやすい。厳罰化が進むほど、しわ寄せは弱い立場の住民に集中する構図が浮かぶ。

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実際、デイリーNKジャパン編集部が韓国情報機関の元高官から得た情報によれば、平壌の船橋・楽浪区域安全部により14歳の少女ら10人が「排撃法」違反により逮捕されたが、いずれも金正恩総書記の「最側近クラス」の幹部の孫たちだったことから、なんのおとがめもなく釈放された例がある。