「ロシア機迎撃」相次ぐバルト上空 背後に“北朝鮮連携”の脅威拡張
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影響はバルト海にとどまらない。欧州の安全保障シナリオ分析(GLOBSECなど)は、ロシアが戦線維持に成功した場合、黒海方面やモルドバ周辺に戦力や圧力を再配分する可能性を指摘している。
特に、親ロシア地域・沿ドニエストルを抱えるモルドバでは、政治的・軍事的な不安定化のリスクが再燃するとの見方が強い。ウクライナ戦争の長期化は、こうした「周辺不安定化」を誘発する余地を広げる。一連の論考に共通するのは、露朝連携の本質を
「ロシアの戦争を終わらせない」から「ロシアに戦争を広げる余力を与える」段階へと捉えている点である。
北朝鮮は弾薬と兵力を供給し、ロシアはそれによって消耗戦を維持する。その結果として生じるのは、戦線の固定ではなく、別戦域への圧力分散という新たな戦略的余裕だ。
さらに注目されるのは、軍事的挑発の質的変化だ。スウェーデン軍トップは「ロシアはバルト海の島嶼をいつでも占領し得る」と警告し、ゴットランド島などを標的とした短期奇襲の可能性を指摘した。
この種の「限定侵攻」構想は、NATOの集団防衛体制の結束を試す狙いとみられ、専門家の間では「ウクライナ戦争と並行して発生し得る危機」との見方が広がる。
ウクライナ戦争は、もはや一国間の衝突ではなく、複数地域に波及する「連結された戦争」へと変質しつつある。その兆候は、すでにバルトの空に現れている。
