北朝鮮政府による‘市場’の統制が強化され、商人たちが住宅街周辺の‘路地市場’に集中していると伝えられた。
親戚訪問のために中国の丹東に来たキム・チョルナム（仮名・平壌居住48）さんが11日に記者と会い、“1月15日以後、市場に対する取り締まりが更に強化され、平壌市内の市場は実際、以前の農民市場に変わっている”と語った。
[次はキムさんとのインタビューの全文]
- 現在、平壌市内の市場の現状はどうですか?
“1月15日から大々的な取り締まりに入りました。市場の入口に、売ることができる品物と売ることができない品物のリストを書いて唐阨tけ、安全員と糾察隊で構成された取り締まり班が随時回っています”
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面- 市場の取り締まりの厳しさはどうですか?だいたいが形式的なものですか、それとも実際に取り締まりをしていますか?
“去年から市場を以前の農民市場に切り替えるという話がたくさん出回りはしましたが、1月15日まで取り締まりはあまりひどくありませんでした。取り締まる回数もあまり多くなかったし、取り締まりにかかっても品物を奪われることはありませんでした。
けれども、 1月15日以後、平壌市内のすべての市場に公告を唐閨A大々的な取り締まりが始まりました。取り締まる回数も増えただけでなく、取り締まりにかかれば品物もすべて奪われます。こうした事情のため、平壌市内の市場は実際に以前の農民市場のように変わっています”
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面- それでは、これまで市場で商売をしていた人たちは、どのように対応していますか?また、国家では既存の市場で商売をして生計を立てていた人に対し、どのような対策をとっていますか?
“以前も、市場の周辺や住宅街の密集地域、または人の移動が多い大きい道路に‘路地市場’というのがありましたが、1月15日以後、路地市場に出て品物を売る人がかなり増えました。市場で商売をすることができない人が路地に出たのです。
また、一部の人は市場にそのまま残って密かに商売をしています。品物は出さないで取り締まり班を避けて、標識を掲げてお客さんと取り引きしたり、通り過ぎる人に“ありますよ”と言って取り引きします。もちろん、品物は市場の近くの住宅街に臨時に保管しておいて、お客さんと取り引きが終われば取り出して来ます。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面政府が出した対策は情けないものです。以前のように収買商店や水産物商店、食料商店に入りなさいということですが、商店に入ることができる人の数が限定されているため、これまで市場で商売していた大部分の人にとっては対策になっていません”
- 今話しに出た収買商店や水産物商店、食料商店は現在運営されていますか? 利用する人は多いのでしょうか?
“現在運営されていますが、品物の種類や数も多くなく、価格もむしろ市場より高くて利用する人はほとんどいないと思えば良いです”
- それでは、路地市場が既存の市場の機能にかわっているということですが、路地市場についてもう少し具体的に話してください。
“路地市場は大体、１つの洞に1つか2つあります。ソンシン区域のトゥル1洞の路地市場と、トゥル2洞の路地市場は私も直接見ましたが、商売をする人が100人以上います。以前は30~40人くらいしかいなかったので、人の数がかなり増えました。
取り締まりがひどいためか、品物は少しだけ出して売ります。取り締まり班が来たら素早く逃げだしたり、取り締まりにかかっても奪われる品物を最小限にするためだそうです。
また、路地市場ではありませんが、夕方5時30分以降は、人の移動が多い道路の端やバスの停留所で品物を売る人も現れました。取り締まり班は来ますが、品物を売る人の数も少なくて、大抵お婆さんたちが簡単な食べ物を中心に売っているため、取り締まり班は見逃してくれます。
路地市場ではありませんが、路地市場よりも大きな規模で取り引きされる所もあります。ソンシン立体交差下の場合、夕方6時以降、大きな市が立ちます。多い時は400人以上が品物を売っています”
- 400人とは大きな規模ですが、… ソンシン立体交差下は取り締まりが厳しくないようですね?
“取り締まりをすることはしますが、市場ほどひどくはないです。路地市場やソンシン立体交差でも、随時取り締まり班が来て取り締まりをしますが、品物を包んで逃げだす人まであえてつかまえようとはしないと聞きました。そのまま1人、2人の品物を奪うだけで取り締まりを終わらせると言います。
奪った品物は、コチェビや野宿者を管理している所に渡すと言っていましたが、さて…わかりませんね。
立体交差の場合、１週間に1、2回程度取り締まり班が来ますが、不思議なことにその日は商売をする人がほとんどいません。取り締まり班とそこで商売をする人の間に、取り引きがあるようです”
- その他、平壌の市場についてもっと聞かせてくれませんか?
“聞いたところによると、最近入れ替わった平壌市の党責任書記が、これまでの市場を農民市場にまたかえなければならないという意見を金正日に提起して、それを金正日が承認して批准したという話が出回っていますが、人民は怒っています。平壌市の党責任書記に対する恨みもありますが、市場を一度も訪問せずに、すぐに承認して批准した将軍様に対する恨みも多いです”