北朝鮮が19日に発射した弾道ミサイルについて、同国は20日、改良型の戦術弾道ミサイル「火星砲11ラ」型であったと明らかにした。朝鮮中央通信が報じた。
同通信によると、ミサイル総局は19日、「改良された地対地戦術弾道ミサイル『火星砲11ラ』型の戦闘部(弾頭)の威力評価」を目的とした試験発射を実施した。試験は金正恩総書記の立ち会いの下で行われ、「戦術弾道ミサイルに適用する散布戦闘部(クラスター弾)および破片地雷戦闘部の特性と威力を確認するため」と説明している。発射では、島しょ目標を中心とする設定区域に向けて5発のミサイルが撃ち込まれ、約12.5~13ヘクタールの範囲を高密度で打撃したとされる。これはサッカー場およそ18面分に相当する広さで、同通信は「戦闘的威力を余すところなく誇示した」と強調した。
クラスター弾は1つの弾頭から多数の子弾を散布し広範囲に被害を与える兵器で、無差別的な殺傷能力の高さから国際的に非人道的との批判が強い。北朝鮮がその性能向上を公然と誇示した形だ。
(参考記事:北朝鮮、クラスター弾頭を誇示 ロシア念頭に“実戦仕様”を売り込みか)
金正恩氏は「各種用途の散布戦闘部の開発・導入により、軍の作戦上の需要をより十分かつ効率的に満たせるようになった」と述べ、高精度打撃能力に加え、特定地域への高密度制圧能力の向上が「軍事行動の実践において大きな意義を持つ」と強調した。また、関連技術の進展について「5年間にわたる研究の成果が無駄ではなかったことを示すものだ」と評価し、さらなる先端技術の確保と高度化を指示した。
一方、日本の防衛省に相当する韓国軍合同参謀本部は19日、北朝鮮が同日午前6時10分ごろ、咸鏡南道新浦一帯から日本海に向けて短距離弾道ミサイル数発を発射したと発表した。飛翔距離は約140キロとされ、日米韓は詳細な性能分析を進めている。
今回の発射は、短距離弾道ミサイルにクラスター弾を組み合わせた実戦的能力の誇示とみられ、地域の安全保障環境に新たな不安定要因をもたらす可能性がある。
