北朝鮮の金正恩総書記が今月3日、娘のジュエ氏と伴い、平壌・和盛地区第4段階区域の各種サービス施設、とりわけペットショップを視察したことをめぐり、地方住民から様々な声が上がっているという。

デイリーNKの咸鏡北道の消息筋は「最近、会寧市では住民の間でペットに関する話題が広がっている」とし、「テレビで元帥様(金正恩氏)の家族や党中央幹部が和盛地区のサービス施設を視察する様子が報じられた影響だ」と語った。

消息筋によると、ある住民はジュエ氏が猫をなでる様子や、「獣医薬品生産」といった表現に注目し、現実離れした世界だとしてため息をついたという。

実際にこうした住民からは、「皆が飢えているのに、犬や猫に気を配る余裕があるのか」「人間の薬も不足しているのに、ペット用の薬とは理解しがたい」「ああいう光景は金持ちの家でしか見られない」といった批判の声が上がったとされる。

今回の視察は、金正恩父娘の「民生重視」をアピールする狙いがあったのだろうが、一部の住民からは「現実無視」と受け止められ、むしろ反発を買ってしまったようだ。

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現在でも地方では、比較的余裕のある一部の家庭だけがペットを飼うことができ、多くの住民にとってはぜいたく品とみなされている。さらに最近は食料価格をはじめ物価が過去最高水準に達し、脆弱階層の生活苦が深刻化している状況でもある。

また、平壌と地方の格差に対する落胆の声も聞かれた。「平壌は自分たちの住む場所とは別世界のようだ」「自分たちは生活のために一銭でも多く稼ぐことで精一杯なのに、平壌の人々はペットを飼い、餌や治療まで気にしているとは、まるで別の国の話のようだ」との嘆きが相次いだ。

一方で、平壌の発展ぶりに驚き、誇りを感じるなど肯定的な反応もあったという。「わが国も他国のように徐々に発展しているようだ」「今や平壌は外国と変わらないように見える」「外国映画でペットの犬を病院に連れて行く場面が不思議だったが、それが現実になったようだ」といった声も聞かれたとのことだ。