北朝鮮が米本土を射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)の能力向上を、改めて内外に誇示した。朝鮮中央通信の29日付報道によると、金正恩総書記はこのほど、ICBMに使用される新型の炭素繊維製固体燃料エンジンの地上噴出試験を視察した。日時は明らかにされていない。

報道によれば、同エンジンの最大推力は2500キロニュートン(kN)に達し、昨年実施された試験(1971kN)と比べ約26%向上した。推力の増大は単なる射程延伸にとどまらず、複数の弾頭を搭載する多弾頭化(MIRV)を念頭に置いた技術的進展とみられる。

北朝鮮がこれまでに公開しているICBM「火星18型」や「火星19型」はいずれも米本土打撃能力を有するとされるが、弾頭を分離して複数目標に向けることで迎撃を困難にする方向へと進化している可能性がある。

今回の新型エンジンは、開発が指摘されている次世代ICBM「火星20型」に適用されるとの見方が出ている。直径や推力の拡大を伴うエンジンの公開は、戦略兵器開発が新たな段階に入ったことを示唆するとの分析もある。北朝鮮は過去、エンジン試験の公開後に実際の発射実験へと移行してきた経緯があり、今後の追加的な軍事行動の可能性も指摘されている。

視察後、金正恩氏は「戦略武力の現代化に関する国家戦略と軍事的需要に十分に合致する」と述べ、成果に満足感を示した。その上で、戦略武力の「質量的発展」を強調し、核・ミサイル戦力のさらなる高度化を継続する方針を改めて示した。