国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)はこのほど発表した声明で、北朝鮮当局が先月開催された朝鮮労働党第9回大会に際し、青年層への思想統制を大幅に強化しているとして、深刻な人権侵害だとする声明を発表し、強く非難した。

若者に対する北朝鮮当局の思想統制は、今に始まったことではない。「反動思想文化排撃法」に「青年教養保障法」、そして「平壌文化語保護法」――いずれもここ数年の間に制定された法律で、ターゲットは若者だ。

これらの法律に基づき、様々な取り締まりや思想教育が行われているが、江原道の元山師範大学では、一度に数十人の学生が「つるし上げ」にされたこともある。

同大学では2023年7月、道内の大学生全員を集めた上で、上記の3つの法律に違反した60人の女子大生が、20人ずつ壇上に立たされた。そして「罪状」が読み上げられた上で、徹底的な批判を浴びせかけられた。

「駭怪罔則(奇妙でけしからん)な行為を行った者ども、ろくでもない行為をやらかした者ども、浮華放蕩(浮かれて贅沢三昧)な行為を行い続けた者どもなど、醜悪な面構えをした者どもが、社会を汚染している」(その場での批判発言)

(参考記事:内臓がはみ出し…北朝鮮「女子アナ」ショック死の衝撃場面

こうした罵詈雑言を長時間にわたり浴びせかけ、顔に泥を塗り、メンタルにダメージを与えるという、単なるハラスメントのようだが、「自己批判と相互批判を繰り返してこそ革命性が高まる」と考える北朝鮮当局は、飽くことなくこうした行為を繰り返している。

60人のうち40人は「軽犯罪」であったため、教養処理(厳重注意)で済まされた。韓国の映像を見た容疑で摘発された10人は、手錠をかけられてどこかに連行された。

10人の学生は、韓流コンテンツの流通に関わっていれば死刑が言い渡される可能性もあるが、それはどうにか免れたようだ。しかし、環境の劣悪な北朝鮮の刑務所で生き延びるのは簡単ではなく、「実質的に遅効性の処刑と言える」と、ある脱北者は語っている。