ロシアのウクライナ侵攻から4年。戦争は長期化し、構図は「ロシア対ウクライナ」から、権威主義陣営と民主主義陣営の対立へと拡大している。

その象徴が、北朝鮮の事実上の参戦だ。ゼレンスキー大統領は19日、共同通信とのインタビューで日本との防衛協力に意欲を示す一方、北朝鮮がロシア側に立って戦闘に加わり、実戦を通じて軍事技術と経験を獲得している点を「日本の安全保障に対する脅威」と明言した。この警告は、決して誇張ではない。

北朝鮮部隊は、ウクライナ軍が越境攻撃を行ったロシア西部クルスク州で実戦を経験した。これは朝鮮戦争以来、北朝鮮軍が大規模な近代戦闘に参加した極めて異例の事態だ。

戦場で得た教訓は、戦術・装備運用・指揮統制に至るまで北朝鮮軍の質的変化を促す可能性が高い。実戦経験は机上演習や訓練では代替できず、軍の進化を飛躍的に加速させる。

さらに、ロシアのミサイル生産網がウクライナ軍の長距離攻撃で深刻な打撃を受け、短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」の生産停滞が現実味を帯びる中、ロシアが北朝鮮製「KN23」への依存を強める展開も濃厚だ。(参考記事:イスカンデル生産に深刻な打撃 ロシア、北朝鮮への依存増大も

これは単なる兵器供与にとどまらず、技術移転や共同開発の深化を意味する。北朝鮮にとっては、ロシアの先端軍事技術に接近する好機であり、その成果が朝鮮半島や日本周辺に還元される危険性は高い。

とりわけ懸念されるのは、実戦データを反映したミサイル運用や無人兵器の改良だ。

日本周辺の安全保障環境は、中国の軍拡と相まって、より複雑かつ不安定な局面に入る。ウクライナ戦争は遠い欧州の出来事ではない。ロシアと北朝鮮の軍事協力の進展は、アジアに連鎖し、日本の抑止体制そのものを揺さぶりかねない。日本は、防衛力の強化と同時に、ウクライナとの連携を通じて得られる教訓と技術を戦略的に取り込む必要がある。戦場で鍛えられた北朝鮮軍を、もはや「張り子の虎」と見なす余裕はない。