自由アジア放送(RFA)は23日、深刻な外貨不足に直面する北朝鮮が、ロシア極東地域の農業分野に女性労働者を大規模に派遣していると伝えた。ウラジオストク近郊やウスリースク周辺の養豚場で、北朝鮮女性が集団生活を送りながら、ほぼ外出せずに働いている実態が明らかになった。
RFAによると、ウラジオストク在住の現地住民は22日、「最近、北朝鮮が女性労働者をロシアの農業分野に送り込み、豚を飼育する養豚場でも働かせている」と証言した。目撃した女性労働者は11人で、昨年6~7月ごろに現地に到着し、計12人が共同生活を送りながら養豚作業に従事しているという。周辺住民からは、ほとんど外出せず働き続ける姿に「異様だ」との声も上がっている。別の情報筋も23日、ウラジオストクから遠くないウスリースクの養豚場でも、約15人の北朝鮮女性が昨夏から働いていると明らかにした。女性たちは養豚場内の建物で寝食を共にし、24時間体制で作業と管理に当たっているという。
経営者側は「ロシア人労働者より人件費が1~2割安く、よく働く上に昼夜を問わず施設を守ってくれる」として、雇用に満足しているとされる。(参考記事:「処刑台」に向かう北朝鮮女性10人…中国での”暴動首謀者”を強制送還)
現地関係者によると、北朝鮮女性労働者の月給はロシア人労働者より10~15%低く、10~20人規模で数年間雇用した場合、節約額は数十万~数百万ルーブルに達する可能性がある。これまで沿海地方やシベリアでは、北朝鮮女性が縫製、海産物加工、電子部品組み立てなどに従事する例はあったが、畜産分野への投入は異例だという。
この動きについて、韓国・東亜大学のカン・ドンワン教授はRFAに対し、「北朝鮮が外貨獲得手段の多角化を進めている表れで、北朝鮮とロシアの関係進展を背景にした動きだ」と分析した。その上で、「都市部で働く建設労働者と異なり、郊外の養豚場に配置された女性労働者は、24時間監視下で集団生活を強いられ、劣悪な労働環境に置かれている。事実上の集団拘禁状態での労働と言っても過言ではない」と指摘している。
