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北朝鮮当局が国際児童節(6月1日)を控え、金正恩が幼い児童を配慮する姿を収録した記録映画を30日、朝鮮中央TVを通して公開した。金正恩の記録映画といえば軍部隊、国家主要施設、人民生活に関連した施設への現地指導の様子を収録したものがほとんどだったため、今回のような「児童への配慮」をテーマにした記録映画は初めてである。

「未来を花咲かせる偉大な愛」というタイトルの記録映画は金正恩に忠誠の誓いをする幼い児童の姿、昨年盛大に開催された朝鮮少年団創立66周年行事に参加する姿、児童百貨店現地視察、離島の児童に贈り物を渡す場面などで構成されている。

記録映画を紹介する女性アナウンサーは「金正恩同志が先軍革命の継承者、未来の主人公として育成される感銘深い歴史的な話法を盛り込んだ朝鮮の記録映画が新たに制作された。一生涯後代のために全てを捧げられた偉大な元帥様の高潔な後代愛を継承される元帥様(金正恩氏)の姿を感動深く見せ付けている」とコメントした。


今回の記録映画は金正恩が児童らに「スキンシップ」をする場面が重点的に構成されており、「人民性」を強調している。金正恩は同映像で児童にキスをしたり頬をつまむほか、児童を抱いて写真に収まるなどの姿を見せている。女性アナウンサーはこれについて「元帥様の懐に国家の未来が明るく育っている。元帥様が子どもたちを愛される証拠が至る所で確認される」と主張した。

これは金正恩の児童を配慮する姿を集中的にアピールし、体制維持後続隊の忠誠心を高めるための狙いがあると分析される。昨年、少年団大会の演説で金正恩が団員に対し、命を掛けて闘争したパルチザンを見習わなければいけないと扇動したのも同一線上にある。また「金日成の真似」の一環で人民の指導者という点を演出する目的もあると思われる。

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記録映画を見た脱北者は「各種政策の失敗で民心を失った金正恩が幼い児童に自身の権威と忠誠を強要する宣伝を集中的に行っている。何も知らない児童にまで忠誠の手紙を書けと指示したのもこの一環」と話した。

一部ではラオスから追放された脱北青年9人を強制送還した金正恩政権が「児童に対する愛が溢れている」と宣伝することと関連し、北朝鮮の二重的な姿がよく現れているとの指摘も出ている。ある脱北者は「死に物狂いで脱出した子どもたちを再び地獄に連れ戻した金正恩が『児童愛』を云々するのは失笑を禁じえない」と批判した。