人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮が先月30日、中央特区開発指導総局報道官の声明を通し「開城工業団地閉鎖」と威嚇してから四日後の3日、同公団の出入り不許可カードを取り出した。北朝鮮がこのように同公団の正常運営を妨害する措置をとった背景には、最近行われた米韓連合訓練の過程で先端武器体系が運用されたこと、朴槿恵政権が北朝鮮の挑発行為に対する初戦対応意志をアピールしたことへの反発の姿勢と思われる。

韓国と米国は北朝鮮による連日の挑発行為にもかかわらず、米韓合同軍事訓練に核兵器搭載可能な米国の戦略爆撃機B-52及びB-2、核潜水艦の訓練を公開。局地挑発にも共同で対応する方針を固めた。また北朝鮮の武力挑発には、根拠地をはじめ指揮部をも攻撃するとの方針を再度強調している。

北朝鮮の今回の措置が韓国政府による武力対抗意志と強硬発言に対する「報復性」のものならば、現在進行中のドクスリ訓練が終わる今月末まで、同公団の出入制限が続く可能性も少なくない。北朝鮮は経済的利益がかかっているため閉鎖措置を取る可能性は低いが、政府は万が一に備えるとの立場だ。

北朝鮮によるこのような措置は、米韓連合訓練が朝鮮半島の平和の象徴でもある開城工業団地閉鎖までを引き起こしたとの世論を起こす狙いがあると思われる。韓国内の北朝鮮シンパ勢力が一貫して米韓連合訓練を反対するデモと集会を行うこととも無関係ではない。

北朝鮮は同公団進出企業の経営上の不都合を利用して、朝鮮半島の緊張を懸念する世論を造成し、今後の米韓連合訓練に対する負担を無くそうという意図もあるものと思われる。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

同公団に進出している某企業の社長は「北側の今回の措置で開城工業団地に搬入する予定った資材などが足止め状態になっている。今は大丈夫だが出入禁止が長期化する場合、一部の工場は資材不足で工場稼動が中断しかねない」と懸念を示した。

また、韓国側の労働者が同公団へ出入りできなくなることにより、工場運営に必要な最小限の人員が滞在し続けなければならない。これは韓国企業の労働者を人質とまではいかなくとも「人質化効果」を発揮すると思われる。

北朝鮮は過去にも出入りを遅延させたことがある。韓国統一部によれば、2009年3月の米韓キーリゾルブ訓練期間中、3回程度そのようなことがあった。2008年には通信線問題など技術的な問題で150回程度遅延させた。当時、遅延から数時間後には通常の状態に戻った。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北側が韓国側に戻ってくる労働者に対しては障害を設けないと公言しているだけに、短期間のうちに公団閉鎖となる可能性は高くないとの推測が有力。事態長期化の如何は先一週間、長期化の場合はドクスリ訓練が終了する時点が重大ターニングポイントとなると思われる。

IBK企業銀行経済研究所のチョ・ボンヒョン研究委員はデイリーNKに「戦略的次元で出入りを制限しているものと見られる。遅延させながら韓国側の動きをうかがい、今後の措置を決定するだろう。長くは2、3日の遅延となるだろうが、それが1週間程度となる場合は状況が深刻になる。緊張の度合いを高め、韓国政府を圧迫するための動きと見える。実際に閉鎖するというよりはジェスチャーの意味合いが強い」と説明した。

匿名希望の北朝鮮専門家は「感情的に神経戦次元で(韓国政府を)挑発している。閉鎖よりは出入り制限の方向に向かう可能性が高い。開城工業団地の人質化に対する懸念も排除できないが、互いに感情対立に発展する場合、人実化よりも追放を選択することもありうる」と展望した。