韓国の情報機関・国家情報院(国情院)は30日の国会情報委員会で、ロシアに派兵され、西部クルスク州でウクライナ軍との戦闘に投入された北朝鮮兵のうち、死者600人を含む4700人の死傷者が出たと報告した。同委員会に出席した議員が記者団に明らかにした。
国情院によると、北朝鮮は2回にわたり計1万5000人をロシアに派兵した。クルスク州のウクライナ軍占領地域をロシア軍が奪還したことで、3月以降は交戦が減少したという。
(参考記事:「北朝鮮兵は倒れるまで殺戮を続けた」ウクライナ軍将校がクルスクで見たもの)
国情院は北朝鮮兵について、参戦初期には未熟さが目立ったものの、ドローンなど新型の装備に慣れ、戦闘力が大幅に向上したと評価した。
一方、ウクライナ特殊作戦軍(SSO)は、第6特殊突撃レンジャー部隊の兵士らが、作戦兵力が3倍に上る北朝鮮軍部隊を全滅させたとする映像を公開している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面この映像を報じた韓国メディア・ニュース1の解説によれば、戦闘があったのは今年3月。クルスク州の前線で夜間、偵察ドローンの熱探知センサーにより北朝鮮軍と推定される25人の兵力を補足したウクライナ軍レンジャー部隊は、8人の兵士による奇襲を実施。
熾烈だが短時間の戦闘で、北朝鮮兵を全滅させたという。ウクライナ側は兵士1名が腹部に破片を受けて負傷したが、応急措置を受けて離脱に成功した。
(参考記事:「捕虜になった北朝鮮兵」家族はこうして殺される)ウクライナ軍は、ロシア・北朝鮮連合軍の数的優位に、こうした質的優位で対抗し、戦果を重ねたという。しかしそれでも、クルスク州の占領地を維持することには失敗した。