北朝鮮咸鏡北道会寧市では最近、18人の麻薬事犯と生計関連の経済犯に対する公開裁判が開かれ、異例的に重刑が宣告されたとされる。会寧市で約1年ぶりに再開された今回の公開裁判には、主要な工場、企業所の労働者が集団的に参加させられ、裁判の全過程を見守った。

咸鏡北道会寧の消息筋は6日、デイリーNKに「昨年5月以来、約1年ぶりに公開裁判が先月29日実施された。当局は工場、企業所、大学生など全ての住民を公開裁判に参加するよう強制した」と伝えた。

さらに消息筋は「18人のうち、麻薬関連の犯罪者5人は10年間の教化所刑、詐欺犯罪者の8人は3年間の教化所刑、残りの5人は6ヶ月間の労働鍛錬隊刑判決が下された」と付け加えた。

また「以前は詐欺のような犯罪は労働鍛錬隊刑だったが、今回は重刑が下された。市の保安所(派出所)から派遣された公開裁判執行者は『今後社会主義の道徳性を蝕む各種社会悪を造成する犯罪については強力な法的処罰を課す』と話した」と伝えた。

北朝鮮は以前から犯罪のため、公開処刑と公開裁判を実施してきた。しかし公開処刑に対し国際社会から人権蹂躙との批判が起こるや、現在は公開裁判のみ実施する傾向にある。公開裁判で死刑が宣告されると、人民保安部と国家保衛部傘下機関などで非公開で死刑が執行される。

脱北者のキム・ヒョンテ(仮名)氏は「北朝鮮当局は食糧難、経済難などにより麻薬取引き、窃盗、詐欺などが蔓延するや、公開裁判を開催し見せしめとして処罰してきた。当局は住民に恐怖感を与え従うようにする統制方式を好むため、公開裁判を続けていくだろう」と展望した。

キム氏はさらに「以前は公開裁判が頻繁にあったが、最近はめっきり減った。北朝鮮当局が人民の生活を改善せず、無条件的に公開裁判を行う場合、むしろ逆効果をまねく可能性もある」と話した。

北朝鮮の公開裁判は一般的に保安署が準備する。裁判部は判決のみを担当する。裁判過程で弁護人はおらず、反論権も与えられない。犯罪行為を否定する「いいえ」と答えることも許されない。犯罪事実を認める「はい」と答えることのみが認められる。公開裁判で北朝鮮刑法と刑事訴訟法に規定された手続きは、ほとんど無視される。