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新型コロナウイルス対策で国境を封鎖し、段階的に解除していた北朝鮮は、今年4月から本格解除する方針のようだ。それに先立ち、中国との国境に接する両江道(リャンガンド)では非社会主義行為――つまり当局が考えるところの風紀を乱す行為や違法行為を根絶やしにするための「100日戦闘」が昨年11月から行われている。

またそれとは別に、国家保衛省(秘密警察)も両江道で検閲を開始し、1月までに終了予定だったのを、今月中旬まで延長するという。金正恩総書記は、体制を揺るがしかねない情報や品物が国境を超えて中国から入ってくると考え、中でも両江道が最もひどい無法地帯だと考えているようだ。

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、例年なら旧正月の料理の材料の買い出しに来た人で市場は賑わうが、今年は正月気分がすっかり吹っ飛んでしまったという。

すでに中心都市の恵山(ヘサン)では、税関の幹部や外貨稼ぎ事業所の責任者、糧穀販売所の責任者、党幹部や複数の商人らが逮捕されており、幹部も庶民も怯えきっている。

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おかげで、両江道の行政も完全に機能停止してしまっている。朝鮮労働党、人民委員会、司法機関は、取り締まり班の顔色ばかりうかがい、業務を完全に止めてしまったのだ。

両江道、とくに恵山が中央から目の敵にされるのは、それなりの理由がある。中央からの目が届きにくく、対岸に位置する中国・長白朝鮮族自治県との間の川幅が狭いこともあり、「密輸の本場」として栄えてきたためだ。

その分、いったん集中取り締まりが行われると、その内容は苛烈になりがちだ。北朝鮮が未曽有の大飢饉「苦難の行軍」の最中にあった1990年代後半、同国内では統制を保つため、粛清の嵐が吹き荒れていた。

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ある脱北者はかつてデイリーNKに対し、「特に両江道では、軍の保衛司令部は道内だけで少なくとも19人を公開銃殺にしており、非公開で処刑された人々も加えたら、いったいどれほどの犠牲者が出たかもわからない。現場となった恵山では、いまも当時の恐怖が生々しく残っている」と語っている。

また近年でも恵山では、牛肉を密売した男女9人が公開処刑されたり、韓流コンテンツを流布した高校生らが銃殺されたりしたとの情報がある。

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今回の検閲では、いったいどれだけの悲劇が生まれるのだろうか。