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米ラジオ・フリー・アジア(RFA)が親ロシアのテレグラムチャンネル「クレムリンウインド」を引用して報道したところによると、ウクライナ軍が占領するロシア西部クルスク州の前線で12月29日、北朝鮮兵がロシア兵3人を射殺する「事故」が発生したという。

報道によると、射殺されたロシア兵は、ウクライナ軍の攻撃を受ける北朝鮮軍部隊が戦場から離脱できないよう、退路をふさいでいた。これに対して北朝鮮兵1人が銃撃を加えて射殺してしまったという。

クレムリンウインドの情報では、「言語の壁」を原因とした「誤射」だったとされているが、本当にそうだろうか。

現地ではすでに、別の場面でも北朝鮮軍の誤射が発生しており、言語の壁によってそうした事故が起きる蓋然性はじゅうぶんにある。しかし、ロシア兵が退却を阻んでいた状況を考えれば、恐怖で混乱した、あるいはロシア軍への不満を爆発させた北朝鮮兵が、半ば意図的に引き金を引いたとしてもおかしくはない。

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そもそも、言語の問題によりこうしたトラブルが起きることは、じゅうぶんに予想されていたことだ。1万人を超える北朝鮮兵との意思疎通のため、ロシア軍はいったいどれだけの通訳を揃えることができたのだろうか。実弾が飛び交う前線での通訳は、「ちょっと話せる」程度の能力では不足だろう。そう考えると、ロシア軍は言語の問題をまったく解決できていないのかもしれない。

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だから、北朝鮮軍の派兵が明らかになったとき、戦場ではロシア軍から独立して行動すると予想した専門家も少なくなかった。しかしどうやら、現実はそのようになっていない。

理由は様々あるだろうが、北朝鮮軍の指揮官たちの能力不足も一因だろうと筆者は疑っている。

核戦力を除けば、北朝鮮軍は「ハリボテ」に等しい。装備は老朽化して使い物にならず、兵士は飢え、軍紀は乱れ切っている。

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そんな軍隊にあって、指揮官たちの士気やモラルだけが高尚な状態を維持しているとは思えない。どんなに作戦を研究して訓練を積んだところで、米韓軍に勝てないのは明らかなのだ。「やってもムダ」と諦めるのがむしろ人情だろう。

そうなれば、軍人のやることはただひとつだ。ワイロやお世辞で上官に取り入り、権力の階段を上るのだ。そうしてこそ、自分もワイロを受け取る地位を確保できる。

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そんな状態だから、ロシアは北朝鮮軍に独立した行動など認めるわけがない。かくして、北朝鮮兵は求められるがままに「弾除け」として投入され、現場での事故も多発するのである。