人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

北朝鮮当局が小・中学校に対し、上級クラスへの進級評価に体育の点数を必ず反映するよう指示したという。

北朝鮮は4日、党中央委員会政治局拡大会議を通し、ナンバー2の権力者である張成沢を委員長に置く「国家体育指導委員会」を新設。体育政策強化を予告した。

15日、平壌の消息筋は「小学校、中学校で今年9月から体育も基本科目となった。学校では体育ができないと(上級クラスへの進級が)だめと強調しており、生徒たちも当惑している。食糧配給もままならないのに体育まで基本科目となり、留年しないで済む生徒は何人にもならないのでは」と話した。

北朝鮮では基本科目として、金日成・金正日・金正淑革命歴史、国語、数学、物理、英語などの科目を指定。上級クラスへの進級評価に重点的に反映させてきた。学年末になると試験を実施し、「落第-普通-優等-最優等」の順に評価する。通常5点満点で、2点以下だと「落第」となり、基本科目が「落第」の場合は留年となる。一方、体育、漢文、美術、音楽などは進級評価に影響を及ぼさなかった。

しかし今学期からは体育を基本科目に加え、試験などの評価が行われると消息筋は説明する。当局のこのような措置により、各学校でも体育に力を入れる雰囲気が漂う。運動場は体育施設を新たに設置する作業で慌しく、古い設備は交代されているという。これらの動きと関連し、高位幹部出身脱北者は「金正恩が後継者として登場した2009年から体育部門関連の機関が新設され始めた」と伝えた。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

消息筋はまた「金正恩が『体育への技術を高めよ』と体育指導委員会に指示した。各単位では体育への関心を喚起するため努力している」と伝えた。

北朝鮮は体育教育強化の動きと合わせ、中国などとの体育交流も拡大しているとされる。14日には中国と北朝鮮が平壌で「2013年体育交流議定書」を締結。国家体育指導委員会を発足させ、委員長には張成沢行政部長を選任した。その後、初の招待事業として日本体育大学代表団を招いた。

専門家らはこれら一連の動きに対し、金正日の後を継ぎ権力を行使するようになって1年が経過する中で、「経済分野」でのこれといった成果が出せていないことを指摘。金正恩が「体育分野」を通して功績を積み、人民に親しいイメージを宣伝する狙いがあると分析した。

人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面

世宗研究所のチョン・ソンジャン主席研究委員は「金正恩はバスケットボールなどスポーツ好きで有名。スポーツ分野を通して自身の功績と関連させようとしている。少ない投資で成果を出せるのが体育分野であり、体育交流は非政治的でありながら、政治的にも活用可能なため積極的に利用しようとしている」と説明した。