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韓国で暮らしていた脱北者キム・グァンヒョク、コ・ジョンナム夫婦の再入北の動機は明らかでない。夫婦は8日、平壌での記者会見で、2008年脱北後、ブローカーと韓国傀儡当局にたぶらかされ韓国に渡ったが、悲惨な生活に幻滅し北へ戻ってきたと主張した。

韓国情報当局による懐柔・拉致という主張は、北朝鮮が脱北者発生の責任を韓国に転嫁するための常套手段に過ぎない。キム氏が「南朝鮮は腐りきった汚い社会。家庭も仕事もまともに持てなかった」と話している部分も釈然としない。母親と弟、知人の証言から判断して、キム氏は北当局が準備した会見文をそのまま読んだ可能性が高い。

6月のパク・チョンスク氏の再入北事件でも明らかになったように、北側がキム氏に懐柔工作を行ったことについて、政府は徹底した調査をする必要がある。パク氏は韓国で順調に生活しているさなか、北側の人物から「平壌で教員生活をしていた息子が妻と共に山奥に追放された」と聞きショックを受け、結局北へ戻る決心をしたとされる。

昨年から韓国内の脱北者社会では、北朝鮮の保衛部が「脱北者再入北」懐柔工作を行っているとの事実が複数のルートを通じて察知されてきた。北朝鮮は金正恩時代に入った後、中朝国境警備を強化し、脱北を試みる者には厳しい処罰をすると公言した。また韓国内に入国した脱北者の家族を奥地に追放し、韓国に対する敵対心を高めるための各種宣伝と集会を組織した。最近の相次ぐ再入北事件も、これらの北当局による脱北者対策の延長線上にある可能性がかなり高い。

韓国を誹謗する様々な宣伝にもかかわらず、北朝鮮住民は今や南北間の経済的格差を身で感じる段階に来ている。中国を訪問した人や脱北者を通して、韓国の発展した様子を耳にたこができるほど聞いており、韓国ドラマを通して目でも確認している。このような現状を受け、北当局は「脱北者が韓国に行くと現地の人間はしない非衛生的で危険な仕事に就き、社会的差別を受けながら悲惨な生活を送っている」として、差別問題を強調している。

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北当局が執拗な懐柔と脅迫でキム氏夫婦と二歳の息子を北へ連れて行ったとしたら、これは国家レベルの拉致であり、犯罪行為である。韓国政府は北朝鮮による再入北懐柔工作を防ぐための対策を早急に整備しなければならないだろう。北朝鮮も脱北者の発生を防ぐために、一時しのぎ的な嘘の宣伝や懐柔工作に頼るのではなく、内部を改革し住民の生活を保障する恒久的な対策をとるべきではないだろうか。