ウクライナ戦争への参戦のためロシアに送られた北朝鮮軍兵士の中からは、多数の死者が出ると予想されている。本当にそうなれば、同時に数多くの負傷者が出ることだろう。
北朝鮮で「栄誉軍人」と呼ばれる傷痍軍人については、統計が公表されていないため、どれほどの数が存在するのかはわからない。
ただ、国の重要な建設工事に多くの兵士が動員され、安全装置、装備の不足から事故が多発していることから、かなりの数に及ぶことは想像に難くない。
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栄誉軍人の中には手足を失った人も少なくないと言われているが、義手・義足を作る工場は咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)にある咸興栄誉軍人矯正器具工場が国内唯一で、稼働状況が芳しくない。また、制作費も本人負担となるため、多くの人が義手・義足を得られずにいると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。
咸鏡北道(ハムギョンブクト)慶源(キョンウォン)の情報筋はRFAに対し、栄誉軍人の義手・義足の不足が切迫していると明らかにしている。
彼の友人は、軍にいたころに負傷して義足が必要となり、除隊時に作ってもらった。だが、これの使い勝手が悪く、また修理もなかなかしてもらえないため、不便な生活を強いられている。結局、松葉杖を使用するしかないという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面勤務中に負傷して足を失った栄誉軍人は、退院と除隊に合わせて義足をもらえることになっているが、体に合わない場合が多い。新しいものを作るには本人が直接、咸興の工場に行かなければならないが、障がいのある身で運行の不確実な列車に乗るのはひと苦労だ。ようやく工場にたどり着いても、費用として50ドル(約7400円)を請求される。
地元の病院を通じて取り寄せることも可能だが、いつ届くかわからないため、結局は咸興の工場を直接訪れる人が多い。貧しい栄誉軍人は、それすらもできない。
両江道(リャンガンド)白岩(ペガム)の情報筋は、本来なら栄誉軍人が得られる福利厚生は、カンバン倒れで実際は何もなされていないと指摘する。
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若くして手足を失ったり、下半身が麻痺したりして「特類栄誉軍人」となった若者を見ると胸が痛むという情報筋は、障がいの程度が思い他の栄誉軍人への待遇はさらに悪いと打ち明けた。
(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為)1年に1回支給される薬代はわずか5000北朝鮮ウォン(約85円)に過ぎない。これでは薬はもちろんのこと、コメ1キロすら買えない。
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