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15日、東海線警戒地域を担当する22師団に亡命した北朝鮮軍兵士のいわゆるノック亡命事件に対し、韓国国防省は公式に謝罪した。金寛鎮(キム・グァンジン) 国防長官は謝罪声明で「国民の皆様に心配をかけた点について国防長官として深く謝罪する」と述べた。

後続人事により22師団師団長をはじめ、重要関係者2、3名の解任が予定されている。軍はこの他にも修正報告事項を見落とした合同参謀本部と1軍司令部指揮官らも重懲戒する方針だ。合わせて軍は最前線勤務態勢に対する一斉点検を実施し、改善方案を早急に整備すると明らかにした。このような徹底した対策と軍綱紀確立は当然のことであるが、今回の事件を単純な警戒態勢の不備による事件としてのみ捉えるのは釈然としない。

北朝鮮軍兵士が鉄柵を越え、22師団警備詰所に亡命するまで韓国軍は無防備状態であった。文字通りむき出し状態だったのである。このような事態は短絡的な原因ではない、複合的な要因が同時多発的に作用して初めて可能となる。まさしくその背景には韓国軍が「南北協力の象徴のような東海線に北朝鮮軍が越境してくることはないだろう」という安易な判断をしたのではないかと疑いの念が拭いきれない。

北朝鮮軍が鉄柵を越えた地点は地形が低く、周辺の警戒詰所からは視野の確保が難しいという。だとすれば事前に聴音装置などを追加設置し対策をとるべきだが、軍はこれを放置していた。越境してきたら仕方ないという高ヲだったのだ。

警備隊周辺を24時間密着監視すべきCCTVは、弾薬庫の方に向いていて出入りする人間を識別できなかったという。北朝鮮の人民警備隊も脱北者を監視するためにCCTVを厳重に設置するというのに、韓国軍は家庭用CCTV一台がやっとだった。これさえも正常に作動しなかった。また北朝鮮軍兵士が鉄柵を越え20分余りうろつく状況であったにもかかわらず、誰もこれに気付かなかった。

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事実上、韓国の警戒システムが全く機狽オていないとみてもおかしくない状況だった。もし北朝鮮に対する過信がこのような問題を引き起こしたのが事実なら、軍は和解協力と安保に対する視点を立て直すべきである。また我々の安保の弱点を呼び起こしうる南北合意を、陸・海を遮断せずに量産する政界の姿勢も止揚しなければならないだろう。

我々は南北和解協力のルートが北朝鮮軍の侵入経路になりうるという、軍元老らの警告を幾度となく耳にしてきた。このような状況で、政界から聞こえてくる2007年南北首脳会談当時の盧前大統領によるNLL放棄発言疑惑に身の毛がよだつ思いである。