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深刻な食糧難の続く北朝鮮で、一部の国民に対してロシア産の小麦粉の配給が行われた。これについて、一部では、北朝鮮兵士のロシア派遣の代償ではないかとの噂が流れている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、清津(チョンジン)市内の金策(キムチェク)製鉄連合企業所と、清津製鋼所が今月初旬、従業員に対してロシア産小麦粉の配給を実施した。金策製鉄所は従業員数が5000人を超える特級企業所、清津製鋼所は3000人から5000人の1級企業所だ。

(参考記事:飢えた北朝鮮の一家が「最後の晩餐」で究極の選択

配給された小麦粉は。ロシア語で使われるキリル文字の書かれた、黄色いパッケージの2キロ入りのものだ。北朝鮮の規定では、労働者1人あたりの食糧配給量は1日700グラムだが、実際に配給されているのは540グラムだ。今回配給されたのは1ヶ月分とのことで、16キロ(8袋)だ。

配給の理由として情報筋は、鋼鉄生産の計画(国から課されたノルマ)を達成したことによるものだと説明した。

しかし、一部ではこんな噂話が流れている。

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「わが国(北朝鮮)がロシアに砲弾を送り、その見返りに小麦粉を得た」
「ロシアの戦場にわが国の軍人を送った代償だ」

(参考記事:「死の直前、泣き崩れる兵士」北朝鮮軍が見せる残酷映像

かつては、「祖国統一のための先軍政治」を掲げていた北朝鮮だが、ロシアに武器と兵士を送ったことは、それに反するものだとして、強い反感を示す者もいたとのことだ。

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「空腹は我慢できるが、息子たちが最新式武器の使われる戦争に連れていかれたことは我慢できない」
「国が、息子たちの命を危険に晒すロシアの戦場に派遣して、武器を支援したということは、もはや公然の秘密だ」(住民)

(参考記事:【動画】ウクライナで唯一生き残った北朝鮮兵士のものとされる証言公開

慈江道(チャガンド)の情報筋は、糧穀販売所(国営米穀店)で、ロシア産の小麦粉が販売されていると伝えた。

現地では、安全部(警察署)、保衛部(秘密警察)、特殊単位(軍需工場)で働く人々に1ヶ月分の小麦粉が配給されたが、これが糧穀販売所に転売されたもののようだ。

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道内に入荷した小麦粉の量がどれくらいになるかはわからないが、従業員数の多さを考えるとかなりの量だと、情報筋は見ている。小麦粉の販売は今年5月にも行われたが、同じような経緯で入荷したものとのことだ。

住民からは「ロシアに派遣したわが国の兵士の命と引換えに入ってきた小麦粉ではないか」との声が上がっている。