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共同通信は25日、複数の外交筋の情報として、中国が北朝鮮との国境近くに無線局の新設を計画していることを受けて、北朝鮮が国際機関に「規則違反」を申し立てていると報じた。「中朝間の意見対立が表面化するのは異例」とも伝えた。

中国が新設を計画しているのはFMラジオ放送などに使う無線局で、その数は191に上るという。これに対し北朝鮮は、国際的な周波数管理を担う国際電気通信連合(ITU、本部ジュネーブ)に対し、中国から事前調整の働きかけがなかったとして、国際的な「無線通信規制」に抵触すると申し立てたという。

北朝鮮が懸念しているのは、「国内の周波数に深刻な干渉を及ぼす恐れ」だというが、これは表向きの話だ。

北朝鮮当局は今、自国内にある中国キャリアのスマホなど通信端末の摘発に血道を上げている。

北朝鮮で中国キャリアの端末を使用するのは違法だが、密輸業者や脱北ブローカー、脱北者から家族への仕送りを届ける送金ブローカーらを中心に、秘密裏に所持している人々が少なくない。

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そしてこれこそは、金正恩総書記が忌み嫌う「海外情報の流入」と「国内情報の流出」の主たる経路になっている可能性がある。そのため中国キャリアの端末の不正使用に対しては、スパイ罪が適用され、死刑判決が下されることさえある。

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それにしても気になるのは、中国当局の意図だ。上述した北朝鮮の国内事情を、誰よりもよく理解しているのは中国である。だったら、無線局設置の計画を事前に北朝鮮に通知するなどし、反発を未然に防げばよかったのだ。

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なのに、中国はそれをしなかった。これは、意図的な「圧力」なのだろうか。

このところ、北朝鮮とロシアの関係が密接になる一方で、北朝鮮メディアで中国関連のニュースは減っているように感じられる。しかも、今年は中朝の国交樹立75周年に当たり、メディアは「中朝親善」一色でもおかしくはないのにかかわらずだ。

両国の間には、何らかの異常気流が流れているのだろうか。

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差し当たり、9月9日の北朝鮮建国と10月1日の中国建国記念日に際し、金正恩氏と習近平氏がどのようなメッセージを交わすのか(交わさないのか)が注目される。