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北朝鮮が、国民に対する思想統制で新たな動きを見せている。

デイリーNK内部情報筋によれば、先月13日、中央反社会主義・非社会主義(以下、反社非社)連合指揮部の指示により平壌市反社非社連合指揮部と黄海北道(ファンヘブクト)反社非社連合指揮部が同日・同時刻に非公開裁判を行ったという。被告はそれぞれ1名の計2名で、いずれも死刑が宣告された。

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情報筋によると、被告となったのは平壌市国家観光総局の職員と、黄海北道新渓郡山林経営所の職員で、いずれも韓国映画とドラマ、歌を流布して問題視された。

彼らは、周辺住民の通報と、予審での自白をもとに、単に韓国の文化を消費したのではなく、敵対国の思想を受け入れた反国家的行為を働いたとして、法定最高刑を言い渡されたという。

情報筋によれば、彼らは韓流コンテンツを密売していただけでなく、北朝鮮と資本主義国家とを比べながら、「わが国は我々を騙して奴隷にしている」「こんな国に生まれたのが運のつきだ」などと不満を表していたとのことで、こうした言動も含めて「反国家行為者」と見なされた。実際には単なる「愚痴」の類だろうが、それでも北朝鮮では死に値する罪となるのである。

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反社非社連合指揮部は今回の非公開裁判で、彼らを「国家に重大な脅威を及ぼす存在」と激しく批判し、「反動思想文化の拡散を徹底的に防ぐための措置として死刑を宣告する」としたという。 また、彼らの家族に対しても、社会と隔離された地域に追放するとの決定を下したという。

情報筋は「今回の裁判は反動思想文化排撃法違反行為に対する政府の強硬かつ厳重な対応を示すもの」とし、「反動思想文化の拡散を徹底的に防ぐために司法的処罰を強化するという国家の意志が明確にあらわれた例だ」と話している。

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北朝鮮当局はこれまでにも、韓流コンテンツを流布した人々を極刑に処すなどしてきた。また、公開裁判に数百人から数千人を集め、被告をさらし者にした例も枚挙に暇がない。

しかし、異なる場所での非公開裁判を同時刻に行った例は聞いたことがない。公開裁判による見せしめ効果よりも、裁判の過程を見せないことによる心理的圧迫を狙っているのかもしれない。