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北朝鮮人1人が、朝鮮半島を分断する軍事境界線を越えて韓国に亡命したと、韓国メディアが報じている。

通信社の聯合ニュースは、軍事境界線を越えた北朝鮮人1人が8日、漢江の河口付近の南北中立区域を経て、喬桐島(キョドンド)付近に達して、韓国側に亡命の意思を示したと、複数の韓国軍筋の話として報じた。

現場は干潟だが、明け方の満潮の時間帯に泳いで南下し、干潮になってからは歩いて韓国側にたどり着いたとのことだ。当初は2人だったのが、1人は途中で行方不明になった。

北朝鮮国民が軍事境界線を越えて亡命したのは、昨年10月に女性3人と男性1人が木造船に乗って韓国にたどり着いた事例以降、約10カ月ぶりのことだ。なお、このルートは2.5キロで非常に短く、脱北に何度も使われており、同様の脱北は2014年、2017年にも起きた。また、2013年には喬桐島に上陸して、民家のドアをノックして亡命を求めた事例もあった。

(参考記事:2家族9人、木造船に乗って脱北し韓国へ

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だが、本来このルートは、朝鮮半島で最も重武装された警戒の厳しいところだ。そこでなぜ脱北が成功したのか。

北朝鮮の元外交官で、韓国で国会議員も務めた民主平和統一諮問会議の太永浩(テ・ヨンホ)事務処長はSBSラジオに出演し、軍事境界線を直接越えての脱北は非常に困難で、脱北した人はこの地域の地理に明るい人だろうとの見方を示した。

また、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)が徹底した警備を行っている地域であるにもかかわらず、発砲されなかったことについて、兵士らは最近のの水害復旧、コンクリート壁の建設に動員され、非常に疲弊しており、警備に穴が空いていたのではないかとの見方を示した。

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梨花女子大学北朝鮮学科の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授は、韓国経済新聞の取材に、一般的な脱北はブローカーを使って中国経由で行うが、今回のような軍事境界線経由の脱北は非常に大きな挑戦で、未然に阻止できなかった北朝鮮では大騒ぎになっているはずだと述べた。

一方、韓国の申源湜(シン・ウォンシク)外相は、国会国防委員会で、「(脱北者が北朝鮮を)出発した時点から監視し続け、亡命に導いた成功事例」だと述べた。