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北朝鮮各地域の協同農場では春季農作業を始めるため、堆肥に続き化学肥料も農場員に強制的に負担させていることが明らかになった。

両江道の消息筋は2日、デイリーNKとの通話で「協同農場管理委が最近、農場員1人当たり化学肥料5キロを納めるよう指示した。堆肥なら人糞で対応可能だが化学肥料はそうはいかない」と吐露した。

消息筋によれば、農場管理委員会の幹部らは農場員に現物がなければ現金で納めろと強要しているという。農場に勤務する家族が2名だと10キロを納める。北朝鮮で肥料は米の値段(1キロ当り3,000ウォン)と大差ない。夫婦で農場員の場合だと1世帯当り3万ウォンを納めなければならない。

平安北道も状況は同じで、現地の消息筋は「農場員に化学肥料を要求するのは今回が初めて。厳しい農場の実情が反映されたもの」と説明した。

協同農場が農場員の反発が予想される強制賦課に乗り出した背景には、北朝鮮当局の高利貸し禁止指示と関係がある。当局は今年の初め「社会主義にて高利貸しは不法」とし、これに背く場合国家機関責任者から法の制裁を下すとの指示を出した。

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北朝鮮では経済難の結果、道·市·郡の農村経営委員会からの肥料・農薬などの営農資材供給がストップ。各協同農場が自主的に食糧卸売業者など個人から貸付を受け農資材を調達している。こうして借りたお金は秋に収穫した農産物(現物)で直接支払う。

ところが秋の収穫物のほとんどを当局が愛国米、軍糧米の名目で回収してしまうため、借金を返済できない場合が多いという。北朝鮮当局がこれといった対策もなく協同農場の貸し出し自体を封鎖すると同時に、その負担を農場員に肩代わりさせているわけである。

北朝鮮の肥料事情は1990年前半の経済難と関係している。北朝鮮トンャw地域の興南(興南肥料工場)と南興(南興青年連合企業所)に大規模化学工場が建設されたが、原料不足と資金難により生産量は30万トンに過ぎない。

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厳しい状況にもかかわらず北朝鮮メディアは2010年、金正日の興南肥料工場現地指導の様子を「肥料の滝がほとばしっている」と報道した。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙、朝鮮新報も当時、2012年まで毎年100万トンの窒素、尿素肥料を生産し、年間1千万トンの穀物を生産可能との予測を発表している。