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米国務省は22日に発表した「2023国別人権報告書」で、北朝鮮国内では不法・恣意的な殺人、強制失踪、拷問、児童労働など非人道的行為がはびこっていると指摘した。

日本では明日からゴールデンウイークが始まる。旅行などの家族イベントを楽しみにしている子どもたちも少なくないだろう。

しかし北朝鮮の子どもたちにとって、こうした休暇は必ずしも楽しいばかりのものではない。学校や国家から、様々な課題を押し付けられるからだ。

北朝鮮で、青少年は春に30日、夏に30日、秋に45日間、農村支援に動員される。この期間、学生たちは学校にも行かずに家族から離れて、協同農場で農作業をしなければならない。中学校3学年から大学を卒業するまでずっとだ。

他にも、国家のひっ迫した外貨事情を支えるため、学校が主導する「忠誠の外貨稼ぎ運動」に動員される。両江道(リャンガンド)の情報筋が米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところでは、現地の中高生は輸出用の「トゥルチュク」(和名クロマメノキ)採集に動員されるという。これはブルーベリーの一種で、酒、ゼリー、ジャムなどに加工され、輸出されている。また、北朝鮮を訪れる外国人観光客の定番の土産でもある。

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もし、この課題から逃れたいと思えば、生徒らは学校に中国人民元で50元の「免除金」を上納しなければならない。裕福な家庭ならいざ知らず、庶民の子にとっては大金である。

ところが最近では、少なくない中高生が、この金額を上納するのだという。しかも、自分でアルバイトをして貯めたお金を払うのだ。咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋はRFAに対し、次のように語っている。

「多くの中高生が、家の生計を助けるために金を稼いでいるのだ。わが国の中高生にとって、夏休みはいつの間にか労働の季節になった。働かないのは幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の子どもぐらいだ」

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子どもたちの多くは、輸出向けの軽工業品を作る工場で、手作業に従事するのだという。そうすれば、学校に免除金を払ってもけっこうな額が残るのだと言うが、工場の中には、「女工哀歌」並みの少女搾取を行っている現場もある。

(参考記事:北朝鮮企業が少女たちの「やわらかい皮膚」に目をつけた理由

もっとも、こうして稼げる仕事場があるうちは、まだ幸いと言えるかもしれない。金正恩政権は、なし崩し的に誕生した国内の市場経済への締め付けをますます強めていて、民間主導の工場は経営が難しくなっている。

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自力で稼ごうにも、その手段が消滅してしまえば、残るのは飢えと絶望だけだ。