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鴨緑江を挟んで北朝鮮と向かい合う中国の丹東には、柳京食堂、平壌館、平壌特産物食堂など複数の北朝鮮レストランが存在する。コロナ禍で2020年から営業休止、廃業に追い込まれた市内に20数軒ある北朝鮮レストランは、ほとんどが2022年から営業を再開した。

北朝鮮から来た美女たちが接客に当たり、歌や踊りで客を喜ばせてきたが、客の使ったカネは北朝鮮政府の懐に入るようになっており、女性従業員の手元に入るのはごく僅かだ。北朝鮮はその僅かな額すら搾取している。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

現地の北朝鮮関係者がRFAに語ったところによると、今月初頭に平壌館で働く女性従業員を対象とした夜間特別教育が行われ、その場で支配人が次のように命じた。

「客からもらったチップを一銭たりとも使うな」

従業員は客からチップをもらった場合、8割を国への上納金として、2割を自分の取り分としていた。ところが、当局が課す外貨稼ぎのノルマが増えたことにより、「チップ全額没収令」が出されたという流れだ。なお、この話は共同経営者の中国朝鮮族から聞いた話とのことだ。

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別の情報筋によると、平壌特産物食堂では、毎日夜10時から1時間、中国語を学ぶ学習会を行っているが、今月からはその前に、その日に客からもらったチップを寄付させる時間が設けられた。

大衆室(広いホール)と個室があり、歌って踊る女性従業員が多くのチップを受け取る。しかし、レストランのあちこちに監視カメラが設置されているため、死角でこっそりと受け取っている。

(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発

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情報筋によると、伽耶琴を弾いて歌を歌うと、客は3曲で100元(約2100円)0のチップをレジで支払うが、それとは別に個人的にチップを渡す。その額は1日で1000元(約2万1000円)になることもある。

当局はかつて、チップはすべて断るようにと指導してきた。買収用との理由からだ。しかし、2010年代に入ってからはより外貨を稼ぐために、チップを受け取り、それをピンハネするように方針を変更した。今月からは全額を没収することにしたため、女性たちは不快な心境を露わにしているとのことだ。