韓国の国会は27日の本会議で、「脱北者の強制送還の中断要求決議案」を議決した。この決議案は在籍議員156人のうち賛成154人、棄権2人で可決された。

決議案は、中国政府の脱北者強制送還を糾弾し、強制送還中断への中国政府の変化と国際社会の努力、国会レベルでの協力を促した。

また、脱北者が強制送還後に受ける迫害や拷問などを考慮し、中国政府が難民条約を遵守し、脱北者への拷問の中止を要求した。

さらに決議案は、国連難民機関などの国際機関が中国政府に対し、脱北者の強制送還禁止原則を遵守する事を求めるよう要求する内容を含んでいる。

また、韓国の国会が脱北者の強制送還問題について積極的に対応し、脱北者が韓国に入国する場合には迅速かつ安全に入国できるように最大限支援するという内容も含まれている。

今回の決議案は、24日に国会常任委員会（外交通商統一委員会）で決議案が採択されてから3日間という異例の速さで処理された。脱北者の強制送還を反対する世論が国内外で急速に拡散したのを受け、4月11日の総選挙を考慮した動きと考えられる。